上場企業を全て自分で調べる必要はない
日本の家計の預貯金合計が2017年6月に1000兆円を突破しました。しかしながら、預貯金のうち株式などのリスク商品へ投資している割合を調べてみると、わずか10%前後しかありません。
政府が「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げて長いわけですが、資産の大半は増えもしない定期預金などにとどまっているようです。
しかしその一方で投資に興味はある、始めたいという人も多いと感じます。
本記事では、そういった投資ビギナーに向けて、気軽に投資を始められて、なおかつ簡単に結果を出すためのステップをお話させていただきます。
投資ビギナーの人に、いきなり有望株や成長株を見つけましょうと言っても、経験がゼロの場合、なかなか難しいものがあります。そのため、一番最初は、信頼できる人を手本としてみてはいかがでしょうか。
一例を挙げます。私の場合、会社の経理をすべて税理士さんにお任せしております。領収書をまとめたり、決算の手続きもすべてやってくれるのですが、毎月6万円、決算時は別途30万円をお支払しています。年間で100万円を超える代金を払っているわけです。
それを自分がやれば、そのお金が丸々浮くわけですが、私はそれをしようと思いません。
その理由は、「信頼できる人に任せることで自分の時間を増やすことができる」「払った代金以上の節税効果と、さらなる節税および会社運営のアイデアをくれる」という大きなメリットがあるからです。
このメリットがお支払いしている代金以上に大きいと判断しているため、会社を設立して間もない頃からお願いしております。
今回、一つの例として税理士さんのお話をしましたが、株式投資においても上場企業をあなたが全て調べる必要はないのです。
投資本や投資雑誌、または信頼できそうな個人投資家のブログやSNSでオススメの銘柄を参考にする、あるいは素直に買ってみるという発想のほうが、投資ビギナーは早く成長できるでしょう。
なぜ、この会社を選んだのか? 結果から学んでいくことで、効率的にノウハウや経験を積むことができます。ある程度すると、次は自分で有望企業を見つける選択眼が芽生えてくるでしょう。
試験でカンニングはダメですが、株式投資ではカンニングしても全然いいのです。
「売れている商品」は、入り口付近にある
現在、株式を売買できる上場企業は3600社以上あります。その中から、株価が大きく上昇する会社をピンポイントに見つけるのは簡単ではありません。投資のプロでも失敗しているくらいですから、投資の初心者やビギナーは悩んで当たり前です。
加えて、ほとんどの人は専業投資家ではなく、自分の仕事がある人ばかりなので、投資に割ける時間が限られています。なおさら投資先選びの視野も狭くなりやすいですが、休日や余暇時間を使って、「イオンなどのショッピングセンター」「家電量販店」巡りをしてみてください。
イオンモールには100店以上のテナントがあります。なおかつイオンに出店するためには、結構高いハードルがあります。私たちの知らないところで競争があり、それを乗り越えて出店した力のあるお店なのです。店名を調べてみると、最近上場した勢いのある企業だったりする場合もあります。
色んなお店を見ながら、「あの店は繁盛している」「ランチタイムに行列ができている店舗はどこか」「売り切れになっている商品はどの会社か」など、気になった店舗名を覚えておきましょう。
ちょっとした気づきが、意外な結果につながります。
他にも有効活用できるのが家電量販店です。大型店舗が多い家電量販店もイオンモールと同じく活用できます。イオンは店舗を見るという視点ですが、家電量販店の場合は商品を見てください。
家電量販店の場合、売れ筋の商品ほど入り口あるいは玄関口の近くに並びます。そのため、以前と比べて入り口近くに新たな売り場を作った商品を細かくチェックするようにしましょう。その商品を扱っている企業も同じく調べましょう。入り口付近にあるほど、売れている商品だと判断できます。
普段よく利用しているイオンや家電量販店は、見方を変えると、お宝銘柄の見本市、展示会とも言えます。
坂本 彰
株式会社リーブル 代表取締役