ライブドアショックにリーマンショック…大暴落時に損を被った株式投資家は少なくないだろう。しかし、こうした暴落時こそが優良株を底値で買う一代のチャンスとも見ることができる。本記事では、歴史的な暴落時に株価がどう変動したのか、優良株の具体的な見抜き方と共に事例をあげながら紹介していく。※ 本連載は、株式会社リーブル代表取締役で個人投資家・坂本彰氏の著書『給料は当然もらって、株で10万を1年で月収20万に!』(ぱる出版)から一部を抜粋し、「内需株」の底値買いで値上がり益を得る具体的な投資法を見ていきます。

リーマンショック後のコマツ株はPER3倍だったが

今では株式投資の成功者という存在になっている投資家も、最初から成功し続けてきたわけではありません。

 

私が株式投資を始めたのは2000年12月です。今から20年近く前になります。株を始める前は、郵便局の定期預金が唯一の資産運用先でした。子供の頃は金利が5~6%もあり、5万円の定期預金を引き出せば2、3万は利子がついてくる。100万円を10年預ければ50万の利息がついてきた時代だったのです。子供ながらに利息の素晴らしさ。勝手にお金が増えていくという感動を覚えたのも、定期預金がきっかけです。

 

しかし、時代は変わりました。今や普通預金も定期預金も雀の涙ほどの利息しかありません。預金金利は1%なんて夢のまた夢という世界になりました。これでは、子供のころに味わった、お金が増えていくというあの感動は微塵も感じられませんでした。

 

お金を預けても、家に置いておいても一緒。そんな気持ちでした。

 

それならば、お金を積極的に増やすべく、株を始めようと決めたのが、株式投資との出会いでした。最初は緊張や不安もありました。お金が増えるという経験は何度もしてきた私ですが「お金が減る」という経験は一度もなかったからです。

 

でも、ここで忘れてはいけないことがあります。減ることを恐れて何もしなければ、いつまでたってもお金を運用することはできません。

 

未だに、お金を減るのが嫌ということで投資をやらない人が多いですが、これは大きな間違いです。

 

何かしらリスクを背負ってこそ、初めてリターンを得ることができる

 

それが正直な意見です。初めて株式投資で買った株は2000年12月、ブリヂストンタイヤの株をミニ株で100株(11万円ぐらい) 買ったのが最初でした。

 

当時、ブリヂストンタイヤの単位株数は1000株でした。100万円以上の余裕資金はあるわけないため、10分の1の単位で買いました。

 

幸いにも1万円ほどプラスで売却できたのですが、翌年に911テロが発生。株価は大きく下落し、2003年まで低迷を続けました。

 

この年に小泉内閣が発足。日経平均株価の上昇とともに資産も増加しましたが、2006年1月。ライブドアショックにより2日で100万円以上もの損失となりました。その後も、2009年のリーマンショックまで株式資産は低迷を続けます。

 

株を初めて10年くらいは、資産はそこまで増加せず、一進一退という状況でした。自分の実力で資産を大きくし続けるというよりも、相場の変動と同じように、勝ち負けを繰り返していたのです。

 

そんな状況でしたが、株は元々好きなので、相場の流れを観察したり、個別株の分析には余念がありませんでした。リーマンショック時に印象に残った出来事が、コマツ(6301) の株価推移です。

 

2007年、サブプライムローンが大事に発展する前のコマツの株価は4000円台でした。それがリーマンショック時には、何と700円台まで急落したのです。下落率、何と82%! 日経平均採用銘柄であっても、当時は投げ売りされていました。

 

企業価値の割安度を図るPERという指標があります。株価を一株利益で割ることで、倍率が計算できます。割安の目安は相場や業種により変化するのですが、10倍以下であれば、激安というラインです。

 

ですが、リーマンショック時のコマツのPERは何と3倍。激安どころか、千載一遇の買いチャンスだったわけです。しかし、当時の私はコマツを買うことができませんでした。

1日で1000円以上暴落するタイミングこそチャンス⁉

この時の投資ムードは例えようにないくらい最悪で、儲けるチャンスという意識よりも恐怖心理のほうが大きかったのです。「まだまだ下がるのではないか?」「株価500円以下も考えられる」「景気回復は当分先で、どうなるかわからない」という、マイナス材料が優先されてしまい、買うことができませんでした…。

 

日経平均株価も7000円台まで下がっていましたが、「5000円まで下がる」「3000円まで下がる」と発言する人もいました。中には1929年に発生した世界恐慌時のNYダウを例に持ち出して、日経平均株価は10分の1になるという発言をした人もいました。

 

私は、こういった話を自分の読みや信念よりも優先してしまい、傍観者となっていたのです。

 

その後、コマツの株価は、2年ちょっとで2000円台後半まで回復。株価4倍になった絶好の機会を逃してしまったのです。結局、恐怖や楽観といった、感情売買では絶対勝てない という教訓を10年かけて学んだわけです。

 

ライブドアショックとリーマンショック、2つの痛い経験をしたわけですが、この時、私はある仮説を立てました。それは、日経平均株価が1日で1000円以上暴落するようなタイミングこそ、有望株がバーゲンプライスで買える最良の時ではないかと。メディアが

 

「日本経済はお終いだ! 株価が暴落しています!」

 

と大声で叫んでいる瞬間こそ、最高の買いチャンスではないかと、おぼろげながら気づいたのです。

 

仮説を実証する瞬間が訪れたのが、2011年3月東日本大震災です。地震は11日に起こりましたが、相場が終了する間際だったため、大きな下落はありませんでした。土日を挟み、14日の日経平均株価は前日比633円安の9620円。15日は1015円安の8605円まで下がりました。

 

この局面で私は300万円以上を新規購入に充てました。当時の運用資産はそこまで大きくなかったため、かなり大胆な買いでした。仮説が当たる確証も全くないなかで動いたため、買い注文をクリックする指が震えていたのを今でも記憶しています。

 

この2日間で買った銘柄のうち、最も成功したのがアークランドサービスHD(3085)です。このタイミングで同社のPERは6倍台、利益成長率は前年比20%ほどあったため、企業価値という側面から判断して、相当割安でした。

 

 

坂本 彰

株式会社リーブル 代表取締役

 

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