リターンがものすごい!? 海外の「クリプト系ファンド」事情

仮想通貨の下落が止まらない。ビットコイン価格はついに50万円を割れた。しかし、海外では着々と仮想通貨への投資環境が整いつつある…。 国際税務のスペシャリストである柳澤賢仁氏による仮想通貨対談企画第3弾はロシア生まれで日本語、英語も堪能なトリリンガル・クリプトウォッチャー「ロシアンOLちゃん」が登場。第2回のテーマは、「海外のクリプト系ファンド事情」。

ヨーロッパとアジア・日本は互いに情報が入ってこない

柳澤 今はクリプト関連のお仕事に携わっていると話してましたけど、具体的にはどんなことをされているんですか?

 

ロシアンOLちゃん(以下ロシアン) 海外プロジェクトの日本におけるローカライゼーションや、日本企業とのアライアンスの橋渡し、海外プロジェクトへの日本のクリプトファンドの紹介などを行っています。

 

柳澤 6月にベラルーシのカンファレンスに参加していましたが、それも会社のお仕事?

 

ロシアン あれは個人的なお仕事になります。日本にいるヨーロッパ人の私が、日本のクリプト界をどういう風に見ているのか教えてほしいと依頼を受けて、カンファレンスに参加させてもらいました。別に私は専門家でもないんですけど・・・おそらく、ヨーロッパから日本のクリプト関係者にアプローチするのが難しいのでしょうね。ヨーロッパはヨーロッパで日本やアジアの情報が入ってこない。だから、日本や中国の方はベラルーシのカンファレンスに参加していませんでした。

 

柳澤 「Coin Choice」に書かれていたベラルーシのハイテクパークに関するレポートを読ませてもらいましたけど、このレポートより詳しく書かれている日本語の記事はありませんでした。ベラルーシは昨年12月に大統領令で仮想通貨の合法化と「5年間無税」を発表していたのに、実際に関係者を取材したら「無税になる可能性は低い」と書かれていましたね。

 

ロシアン ベラルーシは世界のIT企業をハイテクパークに誘致していて、そこに入った企業は、通常13%かかる法人税が9%に減免されます。大統領令に従って、ハイテクパークに入れる事業者のカテゴリーにマイニングと仮想通貨取引所が加えられたのですが、この2業種だけ5年間無税にするとなると、その他の事業者と税率が大きく変わってしまいます。だから、本当に無税にするんですか?と現地で政府関係者に聞いてみたら「世界的にマネーロンダリング対策が求められている状況を考慮して、合法化に向けた法施行は見合わせている。仮想通貨ビジネスに対する税率がゼロになることはない。ただ、税率の軽減は行う」という言い方でした。

海外のクリプト関係者は日本に強い関心を持っている

柳澤 そうやって日本にいながら、海外のクリプト事情に精通されているロシアンOLちゃんさんから見て、日本はどうですか?

 

ロシアン 海外のクリプト関係者は日本に強い関心を持っています。

 

柳澤 日本の企業と組んでビジネスをやりたいという話?

 

ロシアン それよりも、日本のクリプトファンドに繋げてほしいという話が多いですね。もちろん、日本のファンドのデューデリジェンスは非常に厳しいので、すぐにご紹介するという話にはなりませんけど。日本にはだいたい30社ぐらいのクリプト系ファンドがあるので、そのうちの数社とお付き合いさせてもらっています

 

柳澤 なるほど。

 

ロシアン 今後、クリプトファンドの役割は大きくなっていくと思います。機関投資家もICOプロジェクトに興味を持ち始めていますが、プロジェクトのフィルタリングを行うだけのリテラシーとリサーチ力のあるところが少ない。その受け皿になるのが、クリプトファンドかなと。

柳澤 でも正直、日本のクリプト系ファンドでまともなところって、ほとんどない気がします・・・。B Dash Venturesが立ち上げた「B Cryptos」ぐらいじゃないですか? というのも、日本でファンドの運用を行うには適格機関投資家等特例業者の登録が必要で、さらにクリプトを扱うには仮想通貨交換業の登録ライセンスが必要になります。B CryptosはQUOINEさんとパートナー契約を結んで、この条件を満たしていますが、そのほかのクリプト系ファンドは特例業者の登録しかしていないところばかりなんじゃないかと。

 

ロシアン 投資環境が整っていくのはこれからだと思います。実際、海外のクリプトファンドも決して大きなものではありません。最も大きなDigital Currency Group(米NY)でもブロックチェーン関連企業に投資している額は80億円ほど。そのほかにも、Pantera Capital(米メンローパーク)やBlockchain Capital(米サンフランシスコ)などの有名クリプトファンドも同じく数十億円規模です。ただ、リターンはものすごいです。Pantera Capitalは5年間で1万%のリターンを得ていたことが大きなニュースになりました。このファンドが「2019年にビットコイン価格は6万7500ドル(約740万円)まで上昇する」と予想していることも、個人的に興味深いです。

 

柳澤 今のビットコイン価格から考えると現実感がありませんけど、2017年の1年間だけで14倍に上昇しましたから、十分ありえる話かもしれないですね。そういう予想と対照的に、日本ではクリプトに否定的な意見ばかりが大きく取り上げられるから世界に取り残されるのかもしれませんね・・・。

 

 

ロシアンOLちゃん

 

クリプトウォッチャー@crypto_russia

 

ロシア・ウラジオストク出身。14歳のときに国際交流プログラムで来日し、富山県で1週間過ごしたことをきっかけに日本語の勉強を開始。極東連邦大学日本語学部に進学した後も日本に留学。卒業後は日本の商社に就職。投資会社を経て、今年ブロックチェーンプロジェクトのコンサルティング業務を手掛けるベンチャー企業に転職。仮想通貨との出会いは’16年。’17年から少額で投資も開始。同時に、堪能な語学力を生かして、ロシアや欧州の情報をツイッターで配信し始めることに。現在は『BTC News』『Coin Choice』『FISCO』などで記事を執筆中。自身で「ロシアの仮想通貨情報をひたすら翻訳するブログ」(https://cryptorussian.blogspot.com/)も運営。

 

 

柳澤賢仁

 

柳澤国際税務会計事務所代表/柳澤総合研究所代表/税理士

 

慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了後、アーサーアンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て2004年に独立。独立後に支援したスタートアップのなかからすでに2社がIPO。起業家の海外支援やビジネスモデル構築、ベンチャーファイナンス、M&A、海外税務のアドバイザリー業務など幅広く手掛ける。主な著書に『お金持ち入門』(共著)、『資金繰らない経営』などがある。

 

柳澤国際税務会計事務所 代表
株式会社柳澤総合研究所 代表
税理士 

慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程を修了後、アーサー・アンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て、2004年に独立。「大きくなったあのベンチャー企業も最初はフリーランスに近かった」「フリーランスのひとの中に明日のスーパースターがいるはず」と、日々、起業家やスタートアップ、ベンチャー企業、ビジネスモデルを研究し、積極的に情報発信を行っている。

独立後に支援したスタートアップのなかから2社のIPO(株式公開)が実現(2016年現在)し、現在も起業家の海外進出支援やビジネスモデル構築、ベンチャーファイナンス、M&Aなど幅広い分野で支援を行う。

ベンチャー三田会発起人。第30回(平成19年度)「日税研究賞」(税理士の部)を史上最年少(当時30歳)で受賞。主な著書に『お金持ち入門』(共著)、『資金繰らない経営』などがある。

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著者紹介

連載仮想通貨×国際税務のプロフェッショナル/税理士・柳澤賢仁の「Crypto Currency」対談

 

 

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