底打ちしつつあるインド株とインドルピー

インドの経済・市場動向(2018年11月後半)/デイリーマーケットレポート

三井住友アセットマネジメント株式会社 調査部
底打ちしつつあるインド株とインドルピー

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

 

インド市場の推移

(注)データは2018年11月20日基準。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2018年11月20日基準。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

インドの株式と通貨

(注1)データは2017年11月20日~2018年11月20日。 (注2)ルピー/米ドルは逆目盛。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注1)データは2017年11月20日~2018年11月20日。
(注2)ルピー/米ドルは逆目盛。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

株価、通貨は強含みの動き

原油価格下落を好感

 

■インドの株式市場は、10月までの大幅調整を経て、原油価格の下落やインドルピーの反発などを背景に、11月以降は戻りを試す展開となっています。主要株式指数のSENSEXは10月26日に約7カ月ぶりの安値を付けた後、反発し、11月19日には10月初旬以来の水準に戻しました。

 

■インドルピーも、対米ドルで10月上旬に過去最安値をつけた後、戻り歩調を辿っています。原油価格が大きく下落したことから、インドの経常赤字の拡大懸念が後退し、ルピーの買い戻し圧力が強まりました。

 

 

政府と中央銀行の対立が緩和の兆し

 

■インド政府とインド準備銀行(中央銀行)は、信用不安の起きたノンバンクへの対応などを巡り、激しく対立していました。両者の関係悪化が金融市場で懸念されていましたが、対立に緩和の動きが出てきました。インド準備銀行は19日、資本の一部を政府と共有するための専門委員会を立ち上げることや、商業銀行に対する早期是正措置について金融監督委員会で検討することなどを決定しました。これは、中央銀行が政府に歩み寄りを示したものとみられ、一段の関係悪化は避けられそうです。

 

 

12月にかけての州議会選挙が注目される

 

■インドでは、来年の総選挙の行方を占う、5つの州議会選挙が11月から12月にかけて行われます。これまでインドの経済改革を推進してきたモディ首相が率いるインド人民党(BJP)が苦戦するとの見方があるなか、BJPが勢力を維持できるかが注目されます。州議会選挙でBJPの敗北が続いた場合、来年の総選挙での敗北を連想して金融市場が嫌気する可能性があり、注意が必要です。

 

(2018年11月21日)

 

関連マーケットレポート

2018年11月08日 インドの経済・市場動向(2018年11月前半)
2018年10月31日 調整局面にあるインド株のバリュエーションは改善

●当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、三井住友アセットマネジメント、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料は三井住友アセットマネジメントが信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録