2015年12月31日、EUを上回る人口6億人超の巨大経済圏として発足したASEAN経済共同体(AEC)。今回は、そのAECの概要と、AECがアジアの不動産市場に及ぼす影響について見ていきます。

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AEC発足、加盟国はヒト・モノ・カネの自由化が進行

2015年12月31日、EUを上回る人口6億人超の巨大経済圏、「ASEAN経済共同体(AEC)」がついに発足しました。加盟10ヶ国の間では、関税の撤廃や税関手続きの簡素化、観光ビザの廃止、熟練労働者の自由な移動、外資出資規制の緩和など、ヒト・モノ・カネの自由化が進行しており、経済活動の活性化に繋がると期待されています。

 

一方、ユーロのような単一通貨は導入せず、金融政策も各国当局に委ねられるほか、法制度の統合も行われないなど、加盟国間の経済格差に配慮し、現時点ではEUよりも緩やかな統合に止められています。

 

[図表]ASEAN経済共同体(asean economic community:AEC)加盟国

 

AECの発足で最も大きな恩恵を受けるとされるのがタイで、インドシナ半島の中央という絶好の位置にあり、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマーを結ぶ「東西経済回廊」と、中国からタイに繋がる「南北経済回廊」という物流の大動脈が交差するASEAN経済圏の生産・物流ハブとして、外国企業からの更なる投資拡大が見込まれています。

 

 

一方で、ASEAN地域の中でも後発国であるカンボジアやミャンマーは、「タイ・プラスワン」としての役割が期待されています。タイで採算が合わなくなり始めている労働集約的な製造工程が移管されることで、課題である産業多角化の足掛かりにできるなど、各加盟国はAECの発足によって大なり小なり経済的な恩恵を受けると見込まれています。

所得拡大、住宅需要増加・・・不動産市場も活況に

不動産市場においてもAECの発足は、国民所得の拡大や外国人駐在員の増加による住宅需要の高まり、インフラ整備や再開発の進展による利便性や資産価値の向上などを通じて、プラスに寄与することが予想されます。また、工場の開設などをきっかけに、これまで注目されていなかったエリアが、急激に発展していく可能性もあるでしょう。

 

既に先回り的な投資マネーも入り始めていますが、基本的にAECは中長期的に見ていく必要があるテーマです。各国におけるメリット・デメリットをしっかりと見極め、将来的にASEAN地域内でのパワーバランスがどのように変動するかも自分なりに予想しながら、投資国を選定していくのがいいでしょう。

 

 

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