融資担当者に突っ込んだ質問はしてはいけない
金融機関にストレートに聞きたいことはたくさんあります。たとえば、
●どのようにしたら御行においてフルローンでお金が借りれますか?
●金利は○○%で借りられますか?
●なぜ、今回、融資が見送りになったんですか?
●物件の評価の算出方法はどのようにするのですか?
でも、これらは貸手にとって話したくない事なのです。聞いたって本当の事を教えてくれることはありません。なぜなら、審査をしてみないとわからないこともありますし、借手である自分が原因の時もあるし、貸手側の原因もあるからです。本音は貸手のみ知るところです。
アパートローンや不動産投資ローンのような、パッケージになっているものならガイドラインが引かれているので、その範囲内であれば、教えてくれるかもしれません。でも、そのガイドラインにはまっていても、融資不承認になることは多々あります。
私も、オリックス銀行(当時オリックス信託)や地方銀行で、中古アパートローンでパッケージ商品があったのに不承認になりました。なぜ、不承認になったのか気になってしかたありませんでした。次回の参考にしようと思うからです。しかし、何度か聞いたことがありますが、「総合的に判断して見送りです」の一点張りです。
取引が長くなれば教えてくれることがありますが、本当に信頼関係ができないと無理です。先方が話しにくそうな表情をしたら、無理に聞かないことが大事です。そこで、関係がぎくしゃくしたら損なので、次の波に乗れるように期待した方が得策です。
悪いのは信用させられない「借手」にある⁉
融資不承認の理由では、「総合的に判断をして見送る結果となりました」と定番のトークで断られることが多いと思います。
また、断る理由で「親の資産も二束三文しかないし、保全にならない」「そもそもサラリーマンが収益不動産を買うこと自体おかしい。百年早い」など、侮辱的な言葉をあびせられるだけでなく、延々と30分間説教を受けたこともあります。
「借りられない理由はあなたにある。悪いのはあなただ」それに近い言われ方をすれば、だれだって頭にきますし、怒ります。でも、言い方は悪いですが、これは一理あるんですね。
金融機関はお金を貸すことで利益をあげているわけです。借りられる人にはどんどん借りてもらいたいわけです。貸したほうが金利で儲けられるのに、貸さない。借手が信用できないから貸さないわけです。
なら「悪いのは信用させられない借手にある」とも言えるわけです。私は「借りられない理由は私にある」と考えを改めたら、逆に「次は何とかして取引してもらえる人間になろう」と、前向きになりました。
もちろん、その金融機関や支店サイドの内部情勢や担当者の力量等、自分に関係ない事もあるでしょう。でも、本質的なバックグランドで考えれば自身に原因がある。
その後は、気持ちの折れるようなお断りトークをいただいても、「承知しました。また次回良い案件があったら、お話を聞いてもらえますでしょうか」と前向きな話をすることで流れが好転し、のちに新規、追加融資が決まったり、お断りを受けた金融機関から内諾のお話をいただけるようになりました。
私は以前、とある不動産業者から金融機関を紹介してくれるという事で、同席したことがあります。内容として、「ちょっと厳しいだろうな」と思っていましたので覚悟はしていましたが、案の定、その場で評価をざっくり計算され、取り組み不可。不動産業者の営業は怒り始めました。
担当者は委縮し、融資できないの一点張り・・・そうした時は、無理なものをひっくり返すのではなく、次につなげた方が得策です。のちに理解できたのですが、断る側も大変なんですよね。断られると、誰だってよい気分はしないし、逆切れしてくることだってある。なので、「ある程度きつく言う習慣ができてしまった」のかもしれませんね。
安藤 新之助
不動産投資家
株式会社サクセスアーキテクト代表取締役
国内最大の不動産投資サイト「楽待」著名コラムニスト
ゆとり生活形成塾代表