前回決定会合での修正効果を見極め

日銀の金融政策は現状維持(2018年9月)/デイリーマーケットレポート

三井住友アセットマネジメント株式会社 調査部
前回決定会合での修正効果を見極め

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

金融政策は現状維持

市場の予想通り

 

■日銀は19日に市場の予想通り、金融政策の現状維持を決定しました。短期の政策金利を▲0.1%、長期金利である10年物国債利回りをゼロ%程度に操作する金融調節を維持します。また、長期国債を買い増すペースも年約80兆円を目途とすること、フォワードガイダンス(先行きの指針)等も据え置きました。

 

■日銀は前回7月末の決定会合で、金融政策の枠組みを変更し、今回の会合では政策修正効果を見極めるため、さらなる変更は見送ったとみられます。

 

消費者物価指数

(注)データは2015年1月~2018年7月。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2015年1月~2018年7月。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

景気、物価判断等据え置き

リスク要因として保護主義など

 

■日銀は、国内の景気判断を据え置き、先行きの経済については、「緩やかに拡大している」との見方を維持しました。個人消費については、「緩やかに増加している」とし、設備投資、輸出、公共投資も見方を維持しました。また物価については、「横ばい圏内で推移している」とし、変更ありませんでした。

 

■日銀はリスク要因として、米国のマクロ政策運営やそれが国際金融市場に及ぼす影響、保護主義的な動きの帰趨とその影響等をあげています。

 

日経平均株価と米ドル円レート

(注)データは2016年1月4日~2018年9月18日。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2016年1月4日~2018年9月18日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

決定は想定内、緩和継続は円安・株高要因

 

■7月の消費者物価指数は生鮮食品を除くベースで前年同月比+0.8%の上昇にとどまっており、日銀は物価目標達成に向けて、金融緩和を継続していくとみられます。

 

■欧米の中央銀行が金利引き上げや量的緩和の終了に向かう中、日銀の緩和維持は円安・株高要因となりそうです。ただし円安・株高が進めば市場は、日銀の出口戦略を意識する動きになっていくとみられます。

 

(2018年09月19日)

 

関連マーケットレポート

2018年9月14日 年内で量的緩和を終了するECB(2018年9月)
2018年7月31日 日銀は金融政策の枠組みを一部変更(2018年7月)

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