「屋上」を作ればバーベキューやガーデニングも可能
子ども部屋が確保できない
狭小住宅の多くは、一つひとつの空間を十分な広さにしようとすると、4LDKは難しく3LDKになってしまいます。その場合、二人兄弟だと子ども部屋が足りなくなります。
そこで提案するのが兼用スペースです。例えば、リビングの一部を子どもの勉強スペースにし、寝るときは兄弟で一つの部屋を利用するのです。
リビングを勉強部屋として兼用する方法は、空間の有効利用という意味のほかに学力の向上という狙いもあります。ある調査によると、東京大学の学生の約半数はリビングで勉強しているそうです。さらに、別の調査では、難関中学の合格者の約九割はリビング学習しているという結果が出ました。
なぜ学力が上がるかに関しては諸説ありますが、子どもが分からないことや疑問に思ったことをすぐに親に聞くことができるということも一つの理由のようです。また、まわりに人の気配があるので、適度な緊張感が生まれ、集中力が高まるという効果もあるそうです。
勉強スペースと兼用する空間としては、広めの廊下という手もあります。実際に私たちのお客様では、ここを夫婦の書斎と兼用するファミリースペースとして、パパは仕事や読書、ママはミシン作業、子どもは勉強をしているご家族もいます。さらに雨の日は洗濯物干し場としても活用しています。
庭が取れない
一戸建てを建てたら庭でバーベキューをしたり、家庭菜園を楽しんだりしたい、と考える人は多いでしょう。しかし、敷地面積が20坪足らずの狭小地でそれは難しい話です。ほとんどの人がバーベキューをあきらめ、小さなプランター菜園で我慢しているのが現状でしょう。これではマンションと変わらない・・・。
そこで、せっかく注文住宅を建てるなら屋上をつくってはいかがでしょうか。3階建ての上につくる屋上ならば、隣近所の視線をほとんど気にせずにバーベキューを楽しむことができます。庭でやるよりもむしろのびのびとできるでしょう。
家庭菜園に関しては、さすがに畑を耕すのは無理ですが、大きめのプランターをいくつも並べることが可能です。
屋上と聞くと費用が気になる人が多いようです。目安は4畳半のスペースで100万円程度です。この価格で庭が買えると考えればリーズナブルではないでしょうか。
「設計士」が打ち合わせに入ることが重要
このように狭小地・変形地ならではのデメリットを解決する方法はいくつもあります。しかし、その一つひとつを素人が考え出すのは難しいはずです。
そこで重要なのが、打ち合わせに設計士が参加するか否かです。ローコスト住宅を建てる会社の多くは、人件費を省くために打ち合わせには営業担当者だけが参加します。そこでお客様のニーズがいろいろと出てきても、設計士には伝言ゲームで伝わるので、なかなか的確な提案は出てきません。
ところが、なかには打ち合わせ時に設計士も参加する会社があります。そうなれば直接ニーズを聞いてもらえるので「こうしたい」「これならできます」「それならこうしてほしい」「ならばこうしましょう」と、より素早く、よりニーズに合った提案を引き出せるのです。
狭小住宅の外観は間口が狭いゆえに高級感を演出しにくいというネックがあります。あるお客様もそこに不安を覚え、玄関まわりの演出にこだわっていました。このニーズに対して設計士は、その場で何枚もパースを描き、その日のうちにお客様の期待を上回る玄関まわりの演出を完成させたのです。
さらに、設計士がその場にいれば、お客様自身が気づかない将来の不満点も解消することが可能になります。