駐車場に賃貸マンションを建設し、相続税を節税
CASE STUDY:永田さんの場合
2億160万円の節税に成功
課題:代々引き継いできた多くの土地をどうするか
永田さんの夫は15代続く家の跡取りとして、多くの土地を相続してきました。自宅の周辺に広い土地を所有していますが、借り入れが必要となる節税対策をしてこなかったため、相続のときは大変だと周りから心配されてきました。夫が亡くなり、いよいよ相続になって自宅近隣の土地を手放すことになるのは避けたいと、当社に委託をされました。
夫の相続税は、駐車場の土地評価を下げて節税し、配偶者控除の特例も最大限に利用しました。納付については、以前に夫が買っていた他県の土地を売却して済ませることができました。
けれども当然のことながら、自分が死んだときのほうが相続税が高くなります。永田さんは、夫から相続した財産(財産の半分)以外に、夫の親からも財産を相続していますので、合わせると夫の財産程度になること、相続人が少なくなること、配偶者控除の特例が使えないことなどの理由からです。
それを見越して、夫の相続では納税を最小限にすることを目的としましたが、合わせて、最初から次の節税対策ができる土地を相続してもらうことを優先しました。
また、永田さんには現金の余裕がないため、今後は資金的な余裕をつくることも念頭に置いて提案するようにしました。
★STEP 1:自宅と地続きの駐車場に賃貸マンションを建設する★
節税対策として、土地を活用して賃貸マンションを建て、賃貸事業をすることを提案しました。土地を活かして残していくためには、収益の上げられる賃貸事業をすることが第一です。候補地は、自宅の地続きにある砂利敷きの駐車場と決めました。
その駐車場は、約30台が停められますが、駐車料金を数カ月以上滞納する人や廃車を置いたままにする人などがあり、煩わしい思いをしていたとのこと。
また、募集する不動産会社が店じまいをすることもあり、維持管理が負担になってきているということで、それを経営しやすい賃貸事業にすることも目的としました。
このように、駐車場経営の煩わしさを解消し、敷地全体の価値を高めるために、重厚感のある賃貸住宅を建設する提案内容に、永田さんはすぐに取りかかる決断をされました。
相続税の節税になるばかりか、今までの駐車場に比べると6倍の収入になります。1LDK27戸のマンションが出来上がりましたが、すぐに満室になって順調な賃貸経営が開始できました。
STEP1 駐車場に賃貸マンションを建設
賃貸管理法人を設立し、所得税の負担を抑える
★STEP 2:所得税節税のために賃貸管理法人を設立する★
相続税の節税対策ができたとしても、永田さんの収入が増えるため、相続税だけでなく、所得税の負担も増えます。そこで所得税の節税対策として、賃貸管理を目的とする法人を設立することにしました。その法人が一括借り上げすることで、永田さんの所得を抑えることができます。法人は長女と孫が役員となり、報酬を支払うことで収入が分散され、相続税の納税資金対策や、生活資金の補塡にもなります。
さらに、修繕積立金や役員退職金の準備金として法人の経費で生命保険に加入することもできました。それらの費用も経費として計上できますので、法人税対策もできるようになりました。
STEP2 賃貸管理法人設立で所得税対策
STEP3 節税効果
曽根 惠子
株式会社夢相続代表取締役
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士