小規模宅地等の特例を利用し、妻に自宅を贈与
CASE STUDY:望月さんの場合
4億4593万円の節税に成功
課題:納税は終えたがその後の財産継承が課題
望月さんは酪農家の長男です。父親が亡くなったのは、土地の評価が高いときでした。市街化区域にある酪農地は周辺の宅地化が進み、区画整理もされていたので、評価が何倍にもなっていました。一方で、土地が高騰しすぎたため、その反動でバブル経済が崩壊した頃でもありました。
困った望月さんは当社に委託され、大きい土地には不動産鑑定評価を採用するなど評価減をし、億単位で節税もできました。しかし納税のために相続した土地を800坪ほど売却しなければなりませんでした。
それでも当社でコーディネートした結果、最初の顧問税理士に「真っ先に売らないといけない」といわれた400坪の土地は残すことができ、「切り売りも覚悟するように」といわれた住宅のある1900坪の土地は全部残すことができたのです。
次は、望月さんの相続で、父親のときのように土地を売って納税する、ということがないように、当社で継続してサポートしました。
★STEP 1:自宅の土地と建物を妻に贈与した★
望月さんは、父親の相続が終わった後、酪農業の縮小も決められ、自分の相続の節税対策として、2カ所の土地でも賃貸事業をするようにしました。そのため、もとは1900坪の敷地の中にある住宅は、別の所有地に建て替えています。
その後、節税のため、妻に土地の一部と建物につき、2110万円分を贈与しました。
また、同居する配偶者は小規模宅地等の特例(330㎡まで80%評価減)を適用することができます。
賃貸事業を法人化し、役員報酬で所得税を節税
★STEP 2:売らないといけない400坪の土地を活用★
400坪の土地は16m道路に面しており、収益が上がると判断できました。1階は貸店舗5区画、2階から5階は1LDKと2LDKが32戸の賃貸物件を建てて、賃貸事業を始めました。完成すると住居は全室申し込みが入り、5区画の店舗も、理容院、美容院、手作りパン屋等でほどなく決まり、順調な賃貸事業がスタートしました。
STEP1・2 自宅を配偶者へ贈与し、遊休地も活用
★STEP 3:酪農業をやめて賃貸業に切り替えた★
望月さんは父親と一緒に酪農業を家業としていましたが、父親の相続も終わって一段落したことを機に、後継者がいないことや重労働が負担になってきたことなどから、家業を廃業する決断をされました。
そこで自宅は別の所有地に建て直し、1900坪の敷地全体を活用して賃貸住宅を建てました。3LDK73戸、2棟の賃貸マンション計画で、事業費は約12億円です。
3月末入居に照準を合わせたことから、引き渡しまでに全室の申し込みが入り、満室でスタートしました。その後も順調に稼働しています。
★STEP 4:賃貸管理の法人を設立し所得税を節税★
望月さんが所有する賃貸物件は130室と店舗で、年間の賃料も相当あります。このままでは、望月さんの現金が残っていくことになるため、法人を設立し、妻と子供に役員報酬を払うことで所得税の節税もしています。
STEP3・4 土地活用と賃貸事業の法人化
また、法人の経費で生命保険に加入することで、退職金の積み立てをするようにしています。
STEP5 節税効果
曽根 惠子
株式会社夢相続代表取締役
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士