ニッチブランドの販売戦略…動画を活用したプロモーション手法

前回は、ニッチブランドの周知に「SNS」を使ったプロモーションを活用する方法を紹介しました。今回は、動画を活用したプロモーションについて見ていきます。

1分の動画で「原稿用紙4500枚分」の情報伝達が可能!?

前回の続きです。

 

また、SNS、ウェブプロモーションを含めて、ニッチブランドの宣伝・広告を行ううえで動画の活用は不可欠になります。

 

動画のメリットとしては、まず第一に伝えられる情報量の多さをあげることができるでしょう。1分の動画は180万字のテキストに相当するともいわれています。180万字といえば、400字詰原稿用紙で4500枚にもなります。60秒というわずかな時間であっても、動画はこのように途方もない量の情報を見る者に伝えることができるのです。

 

 

また動画は、動く映像によって、テキストはもちろん写真よりもはるかに分かりやすく商品の中身や機能、利用方法等を説明することができます。たとえば、利用する前に何らかの組み立て作業が必要な商品の場合でも、その手順を映像で再現すれば「自分で組み立てるのは面倒だと思ったが、この通りに作れば3分もあれば大丈夫だな。よし、購入してみよう」などと思ってもらえるでしょう。

 

そしてさらに演出を工夫することによって商品の価値や特徴を生き生きと、魅力的に伝えることができます。ニッチブランドのプロモーションでは、モノのストーリーをいかに的確に伝えるかがとりわけ重要になるので、多彩な表現が可能な動画は最も理想的なストーリーの語り方を見つけることができるベストな選択肢の一つといえるでしょう。

「ライブコマース」でネット上のTVショッピングを実現

動画プロモーションの最新動向に関して触れておくと、現在は「ライブコマース」が大きな注目を集めています。

 

ライブコマースとは、タレントやインフルエンサーなどがライブ動画を配信し、視聴者はリアルタイムに質問やコメントをしながら商品を購入できるという仕組みです。ECサイトが気軽にライブコマースを配信できるプラットフォームを提供するサービスも続々と登場しています。

 

例をあげると、女性向け動画メディアの「CCHANNEL(シーチャンネル)」は2017年7月から動画コマースを本格的に展開しています。その第一弾として、ファッションブランドの「サマンサタバサ(Samantha Thavasa)」で知られるサマンサタバサジャパンリミテッドと連携し、世界的モデルのミランダ・カーを起用して、同社の新作ラインアップの販売をライブコマースのかたちで実施しました。

 

また、「Yahoo!ショッピング」も2017年11月からライブコマース「Yahoo!ショッピングLIVE」をスタートしています。同サービスは、希望する出店者がスマホなどで撮影した動画を最大30分間、Yahoo!ショッピングのアプリ内で配信することができ、販売につなげられる仕組みとなっています。

 

ライブコマースは、いわばテレビショッピングをネット上で実現するものであり、「ECのあり方を根本から変える」とまでいわれています。

 

ニッチブランドの最も重要なプロモーション手法の一つとして、今後もその動向には十分な注意を払っておくことが必要でしょう。

 

ニッチブランドの販売をECで行う場合、後で詳しく取り上げるように通常はECモールから、具体的には楽天市場から始めることになります。そのため、ECモールにおけるプロモーションは、ニッチブランドを「伝える」活動の第一歩となるわけです。何事もスタートが肝心といいますが、このECモールプロモーションにおいてブランドの認知度をどれだけ上げられるかは、その後のブランド戦略(自社サイトの開設・運営など)にも大きく影響してくることになるために大変重要になります。

 

まず、ECモール内でブランド認知度を向上させるためには、商品ランキングに掲載され、ユーザーからの商品レビュー(商品に対する評価)を増やすことが一番のポイントになります。

 

楽天市場の場合、ランキングには総合、ジャンル別など様々な種類がありますが、それらのどれか一つでもトップを獲得することができれば「楽天○○ランキング1位獲得」という宣伝文句を以後のプロモーション活動の中で使うことが可能となります。その結果、「1位なんてすごい!」「ランキングでトップをとっているのだから製品クオリティには問題ないだろう」などと消費者から大きな注目や信頼を得ることが期待できます。

 

また、商品レビューはECモールの利用者が購入する商品を検討する際の判断材料として非常に重要視されています。好評価のレビューが多ければ多いほど集客にとってプラスとなることは間違いありません。

 

ランキングを上げて、レビューを増やすためには、商品の発売開始時に価格を訴求すること(安売りセールなどを行うこと)が最も効果的でしょう。新発売されたばかりの商品は一般に消費者の関心と好奇心を強く引くので、価格が安ければ「試しに買ってみよう」という行動を促しやすくなります。

 

なお、「楽天ランキング○位!」などの宣伝文句とともに、メールなどで送られてきた利用者の声を積極的に紹介していくのも集客の手段としては効果的でしょう。

 

[図表]

 

たとえば、「HIMITU(ヒミツ)」に関しては次のようなユーザーの感想をサイト上で取り上げています。

 

「唇の縦じわと乾燥が気になっていました。つけた瞬間はちょっぴりスースーしますが心地よい感じです。縦じわが目立たなくなり夜メイクを落とした後も少しピンク色になった気がしました。血色がよくなったのかな? ぜひ、他のカラーも試したいです!!」

 

「冬になって唇の乾燥や荒れが気になっていた時に楽天セールで肌に優しそうなこのリッププランパーを見つけ、購入してみました! つけ心地はスースーする感じで、グロスよりベタつきが少なく使いやすいです。ユリは透明なのでマスクをする時や寝る前など美容液として使えるのが良いですね。サクラはとても薄づきのピンクでつやつやになります。普段から濃いリップはあまり使わないので私にはちょうど良かったです!」

 

このような実際の利用者の感想や意見からは商品の魅力が生き生きとリアルに伝わってくるので、読む者の購入への意欲を強く後押しするはずです。

「ブロガープロモーション」も、効果的な方法の一つ

それから、ネット上のプロモーションとしては、「ブロガープロモーション」も効果的な方法の一つになります。ブロガープロモーションは一般消費者に対して強い影響力をもつブロガーに商品を使ってもらい、感想や評価などをブログに書いてもらうことにより集客につなげるやり方です。

 

ブログに感想や評価が記される場合、基本的にマイナスの印象を与えることはあまり書かれません。したがって、商品名を検索してブログにたどり着いたような人は、ブランドに関する記事を目にして「この人がよいと思ってわざわざブログに書いているのだから、試しに買ってみようか」という気持ちになることが多いはずです。

 

ブログで商品を取り上げてもらう方法としては、ブロガーに直接商品を送る以外に、ブロガープロモーションをサポートするサービスを使うという手段もあります。たとえば、ITベンチャーのアライドアーキテクツ社が運営する「モニプラ」を利用すれば、同サイトを通じて「○○の商品を発売しました。使ってみて感想を書いてくれる人はいませんか」などと募集をすることにより、多くのブロガーに商品の記事を書いてもらうことが期待できるでしょう。

従来型のプロモーションも、必要に応じて活用を

「伝える」手段としては、SEO・SEMやSNS、ウェブプロモーションだけでなく、従来型のプロモーションも、必要に応じて適宜、行っていくことになります。

 

従来型のプロモーションとしては、主として①マス媒体プロモーション、②プレスリリース、③メディアキャラバン、④展示会出展があげられます。それぞれの基本的な中身は下記の通りです。

 

①マス媒体プロモーション

テレビCM、雑誌広告、新聞広告など。

 

②プレスリリース

報道機関に商品の情報資料を提供する。

 

③メディアキャラバン

テレビ局、新聞社、雑誌編集部などを訪問して商品のPR活動を行う。

 

④展示会出展

商品を展示・宣伝するためのイベントを開く。

 

②プレスリリースの送付に関しては、プレスリリース配信サービスを利用することも検討してみるとよいでしょう。プレスリリース配信サービスは、企業等に代わって各種メディアにプレスリリースを配信するサービスで、「PRTIMES」などが知られています。

 

 

また、④展示会出展は国内での宣伝はもちろん、ブランドの海外展開を行う場合にも有効に活用できます。私の会社でも海外で商談会を開くことが多く、現地のバイヤーや消費者らと触れ合い、商品に対する生の意見や感想を直接聞ける貴重な機会となっています。

株式会社ファヴールマルシェ 代表取締役

20歳で広告代理店に入社し、商品のパッケージや広告物をデザインするなか、既存のブランドのPRに貢献するだけでなく、主体となってブランドをつくりたいと考え、転職を決意。
ECを利用したブランドビジネスを行っていた会社に注目し、デザイナーとして就職する。
2014年、株式会社ファヴールマルシェ設立の折に社長に就任。
以後3年で生み出したブランドは10件以上、商品は累計50点以上にのぼる。
現在では、ECを利用してブランド創出から流通までを自社で担う、新しいブランドビジネスを確立、提唱している。
社名である「ファヴールマルシェ」は、「恵市」という名前をもとに「faveur(恵み)」ある「marché(市場)」を多くつくりたいという思いをこめてつけられた。

著者紹介

連載万人向けはもう古い! SNS、ECを生かした「ニッチブランド」ビジネスの可能性

 

ニッチブランド革命 デジタルマーケティング時代のヒットの法則

ニッチブランド革命 デジタルマーケティング時代のヒットの法則

山口 恵市

幻冬舎メディアコンサルティング

好きなものを「つくって広めたい」が現実に! これからの市場を支配するのは、小さなニーズを狙って届けるニッチブランド!? ニッチブランドの企画からプロモーション、流通まで――新しいヒットの仕組みを徹底解説! ●なぜ…

 

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