ニッチブランドの周知に役立つ「SNS」を使ったプロモーション

前回は、ニッチブランド創出の第ステップとなる、ブランドストーリーの拡散法を説明しました。今回は、ニッチブランドの周知に役立つ、SNSを活用したプロモーションについて見ていきます。

SNSをプロモーションに活用する企業は増えている

大手ブランド、ニッチブランド、さらにはEC、リアル店舗を問わず、SNSをプロモーションに活用する企業は毎年、増え続けています。ここでは、それらの中から特に印象に残った例をいくつかあげておきましょう。

 

 

①「キリン 旅する氷結」

俳優の高橋一生を起用し、その公式Instagramで商品をPR。この企画限定でのアカウント開設に注目を集めました。またファンならば、好きな俳優やタレントがSNSを通じて何度も「飲んでみてください」と訴えてきたら「飲んでみようかな」と思うでしょう。

 

②#FR2(アパレルブランド)

同社の製品を着用した女性のお尻のアーティスティックな写真などをInstagramに投稿し話題を集めています。SNSを入口にして、世界のどこかの著名人にさえ受けることができればヒットが可能になるというかたちを示した一つの実例ともいえます。

 

③RiLi STORE(ECアパレルブランド)

2017年12月に導入されたストーリーズハイライト機能を利用して、「インスタ公式アカウントで商品を紹介=ECサイトへ誘導」というSNSの典型的な戦略を実践しています。公式アカウントではインフルエンサーをモデルに起用し、「RiLi・tokyo」というオウンドメディアも運用。そのフォロワーを増やすことで、さらに集客につなげるなどマルチなプロモーションを展開しています。

 

④yellow(韓国系ECアパレルブランド)

徹底したフォロワー視点に感心させられます。単に商品やモデルの画像をアップするだけではなく、撮影を全て韓国で行うことで、現地の空気感やトレンドと合わせて商品を伝えています。そのような試みによって、「現地のオシャレ」のフィルタを通して商品を購入したい日本国内の韓国ファッションファンのニーズに応えているのでしょう。購入に至るサービスは全て日本語対応しているところも“二重丸”です。

SNSは万国共通の効果的な「プロモーション手法」

私自身も、SNSやインフルエンサーのもつ効果を深く実感したことがこれまでに何度かありました。

 

ネット上で影響力をもっていたある漫画家の方が、私の会社で取り扱っていた商品をブログで紹介したところ、その情報がTwitterで瞬時に流れ、翌日には取り上げられた商品の売上がどーんと上がったことがあります。また、台湾のある女性インフルエンサーが私の会社で開発した角質柔軟美容液を、後述するライブコマースのかたちで紹介してくれたこともありました。すると、それが大きなきっかけとなって短い間に千本以上も売れたことがありました。

 

この台湾の例も示すように、SNSは国内はもちろん、海外で商品を販売する際にも大きな力を発揮するまさに万国共通の効果的なプロモーション手法といえるでしょう。

ウェブ広告の「表示形態」「配信形態」の種類とは?

ニッチブランドのプロモーション手段としては、今述べたSNSが中心になりますが、必要に応じてウェブ広告による宣伝も展開していきます。

 

ウェブ広告は一般に、表示形態、配信形態、課金形態にしたがって、以下のように分類されています(電通西日本のオフィシャルホームページ上の記事「インターネット広告とは?」参考)。

 

【表示形態】

①ディスプレイ広告

画像表示による広告形態で、バナー広告とも呼ばれる。ウェブサイトやアプリ上の広告枠などに表示される。

 

②テキスト広告

テキスト(文字)表示による広告形態で、リスティング広告はその一種になる。

 

③記事広告(タイアップ広告)

記事型の広告形態。ことにメディアとのタイアップにより作成されたものは「タイアップ広告」などと呼ばれる。

 

④ネイティブ広告

バナーのように広告として目立たせるのではなく、Facebookのフィードやキュレーションメディア等のコンテンツ・記事に馴染むような形で表示させる広告形態。特に、コンテンツ・記事と一体感のあるデザイン、フォーマットで設置されたものをインフィード広告という。

 

⑤動画広告

YouTubeのインストリーム広告など動画表示による広告形態。

 

【配信形態】

①検索連動型広告(リスティング広告)

GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索したキーワードと関連性の高い広告が表示されるテキスト広告。

 

②アドネットワーク型広告

ウェブやアプリメディアなどの広告配信可能なメディアをネットワーク化し、そのネットワーク内のサイトに広告を配信する手法。一つ一つのメディアに申込・配信をするのではなく、一度に多くのメディアでディスプレイ広告等を配信することが可能になる。

 

③DSP

「Demand Side Platform(デマンド サイド プラットフォーム)」の略で、広告主側の効果を最大化することを目的としたツールないしプラットフォーム。広告主のニーズ等にしたがって、広告枠を自動的に買い付けて、広告配信を行う。

 

④興味連動型広告

ウェブ上のユーザーの行動から、興味・関心等を分析してそれに適した広告を配信する。インタレストマッチ広告、行動ターゲティング広告とも呼ばれる。

 

⑤リターゲティング広告(リマーケティング広告)

特定のウェブサイトにアクセスした者の行動を追跡して、別のアクセス先等で広告を露出する。行動の追跡にはCookie(クッキー:ウェブブラウザ内に蓄積される来歴情報)が利用されることが多い。

 

⑥位置情報連動型広告

ユーザーの位置を手がかりにして広告を配信する(たとえば、外出先でスマートフォンを使って飲食店を探したときに閲覧サイト上にその近くのレストラン等の広告が表示されるなど)。

 

【課金形態】

①インプレッション課金型広告

広告表示が発生するごとに、料金が発生する形態。インプレッションは広告が表示された回数を意味する。単価の指標には、1000回表示あたりのコストを指すCPM(CostPerMille)が使用されることが多い。

 

②クリック課金型広告

広告のリンクがクリックされた段階で、料金が発生する形態。ペイパークリック広告(PC広告)とも呼ばれる。

 

③期間保証型広告

特定の広告枠での一定期間の掲載を保証する方式。バナー広告で利用されることが多い。

 

④成果報酬型広告(アフィリエイト広告)

ユーザーが商品・サービスの購入・申込をするなどの成果が出た段階で料金が発生する形式。実際に成果が出なければ報酬は不要なため、費用対効果を測定しやすい。

 

⑤配信数保証型広告

メール、アンケートなどを利用した広告において配信数を保証する形態。最近はLINEなどでも活用されている。

 

⑥視聴単価型広告

ユーザーが動画を視聴した段階で料金が発生する広告。「見た時間に応じて」「最後まで見た場合のみ」など課金方法はまちまち。

 

 

このように実に様々なタイプのウェブ広告がありますが、ウェブプロモーションの一番のベースとなるのはやはりリスティング広告でしょう。何らかのニーズをもって検索している人達、目的意識をもって情報を探している人達に対して、そのニーズなり目的なりに適した商品をピンポイントで案内するため、高い広告効果を期待することができます。

株式会社ファヴールマルシェ 代表取締役

20歳で広告代理店に入社し、商品のパッケージや広告物をデザインするなか、既存のブランドのPRに貢献するだけでなく、主体となってブランドをつくりたいと考え、転職を決意。
ECを利用したブランドビジネスを行っていた会社に注目し、デザイナーとして就職する。
2014年、株式会社ファヴールマルシェ設立の折に社長に就任。
以後3年で生み出したブランドは10件以上、商品は累計50点以上にのぼる。
現在では、ECを利用してブランド創出から流通までを自社で担う、新しいブランドビジネスを確立、提唱している。
社名である「ファヴールマルシェ」は、「恵市」という名前をもとに「faveur(恵み)」ある「marché(市場)」を多くつくりたいという思いをこめてつけられた。

著者紹介

連載万人向けはもう古い! SNS、ECを生かした「ニッチブランド」ビジネスの可能性

ニッチブランド革命 デジタルマーケティング時代のヒットの法則

ニッチブランド革命 デジタルマーケティング時代のヒットの法則

山口 恵市

幻冬舎メディアコンサルティング

好きなものを「つくって広めたい」が現実に! これからの市場を支配するのは、小さなニーズを狙って届けるニッチブランド!? ニッチブランドの企画からプロモーション、流通まで──新しいヒットの仕組みを徹底解説! ●なぜ…

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