前回は、オリンピックまでの株式投資チャンスを活かす方法を紹介しました。今回は、短期トレードは難しいが、とにかく資金を増やしたいという人にお勧めの「複数銘柄への分散投資」について説明します。

ローリスクな銘柄の条件とは?

デイトレードが、少ない資金からスタートして大儲けできるのは、ハイリスクな銘柄でも狙っていくことでハイリターンを得ているためです。つまり、デイトレードとはハイリスク・ハイリターン戦略なのですが、投資期間を1日に限定して期間を持たないことでリスクを低減しています。

 

しかし、デイトレードができない場合は、ハイリスクな銘柄を扱うことは避けたほうが無難です。新興市場銘柄などハイリターンを狙える一方でリスクも高い銘柄は、長期で保有すると株価が半値、3分の1になってしまうことも珍しくはありません。

 

デイトレード、スイングトレードなど短期トレードは難しいが、とにかく資金を増やしたい、ハイリターンを狙いたいという人にお勧めの取引手法の一つが、複数銘柄への分散投資です。

 

比較的ローリスクな銘柄を複数保有して、長期で上がるのを待てばいいだけです。この方法も、1980年代後半からのバブル期に試して、大きく資産が増えた人が数多くいますから、今後相場全体が上がる局面では有効です。

 

比較的ローリスクな銘柄とは、次のような条件を満たすものです。

 

●株価が低位、中低位(1000円以下が目安)

●今後、業績が好転されると予想される

●倒産リスクが極端に小さいもの

●夢のある事業を扱っているもの

●歴史、規模などで信用度が高いもの

●日経平均に連動する傾向があるもの

 

条件として挙げた6項目の中で、倒産リスクが低いものとは、自己資本比率や流動資産を流動負債で割った流動比率から判断します。どちらも、数値が高いほうが倒産リスクは低いといえます。また、日経平均に連動してしっかり上がる銘柄かどうかは、過去のチャートを見て判断するとよいでしょう。

投資先の「ジャンル」は必ず分散させておく

資金量にもよりますが、この投資法ではできるだけ多くの銘柄を仕込むのがポイントです。できれば20銘柄以上、難しければ最低でも10銘柄は必要です。銘柄による保有株数には差をつけず、できるだけバランスよく分散投資します。

 

倒産リスクの低い銘柄を分散して保有するこの方法が、ローリスクであることは分かると思いますが、なぜハイリターンを目指せるのか。それは、日経平均が上昇する相場では、ほとんどの銘柄が上がる可能性があるからです。言い方を変えれば、ミニバブルが発生する可能性があるのです。しかも、銘柄数が多ければ、その中から「大化けする株」もいくつか出てくる可能性があり、そこで日経平均の上昇を上回る大きな投資成果が期待できるというわけです。

 

例えば、前述の条件を満たす低位株を10銘柄仕込んだとします。倒産リスクが少ない銘柄を選択することは重要ですが、仮にそのうちの2銘柄が倒産しても、残りの8銘柄の株価が上昇すれば、倒産した2本分の損失は埋められる可能性が高いでしょう。あるジャンルだけが沈み込むということもありますから、投資先のジャンルは分散させておくのが鉄則です。

 

このように、分散して投資することで長い期間保有しても、中に倒産する銘柄があったとしても、全体ではリスクを低く抑えることができるのです。

 

ただし、この方法ではある程度の資金が必要になります。もし、平均180円の株を10銘柄、2000株ずつ保有したとすれば、投資額の合計は360万円になります。

 

では、実際にどの程度の利益が見込めるのでしょうか。もし、1年間で1銘柄平均40円上昇すれば、10本の利益の総額は80万円です。中には100円以上値上がりする銘柄もあるかもしれませんし、ある程度の相場になればトータルで100万〜200万円以上の利益が出るケースも考えられます。

 

この投資法で、より大きな値上がりを狙うなら、条件にも挙げたようにできるだけ「低位株」を選ぶとよいでしょう。低位株はもともとの株価が低いため、株価が倍増する可能性が相対的に高くなるためです。そして、東京オリンピックが開催される2020年までに低位株が倍増する可能性は、非常に高いと私は考えています。そのため、株価が安い銘柄を数多く仕込む、この投資法は今やってこそ意味があるのです。

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    本連載は、2015年3月17日刊行の書籍『知識ゼロ、資金ゼロから億万長者になれる株入門』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。投資はご自分の判断で行ってください。本書を利用したことによるいかなる損害などについても、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

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    鈴木 正剛

    幻冬舎メディアコンサルティング

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