資金調達に時間が必要、影響力が大きすぎると弊害も
エンジェル投資家から投資を受けるデメリットとしてまず挙げられることは、資金調達までに時間が掛かることです。
後述する「エンジェル投資家から出資を受けるための4つのステップ」を踏むには、早い人でも半年、普通は数年掛かるでしょう。ですので起業前、できれば会社員時代や学生時代から始めることが望ましいと言えます。もし既に独立・起業しているのであれば、他の融資方法で資金をつなぎながら、並行して「4つのステップ」を踏んでいくことです。
他のデメリットとしては、エンジェル投資家の影響力が大きすぎると弊害があるということです。ほとんどのエンジェル投資家は一定の距離を置いてくれますが、中には会社経営にまで首を突っ込むエンジェル投資家が存在します。金も出すが、口も出すという人たちです。そういう投資家に当たってしまうと、窮屈な思いをすることになります。
また株の割り当て率が高すぎるエンジェル投資家がいて、創業者の持ち株比率があまりにも低ければ、役員人事に影響を持たれるなど経営面の問題を抱えますし、会社売却をする場合には損をする怖れがあります。
出資比率を小さくしてエンジェルの影響を抑える
では、エンジェル投資家の影響力を大きくしすぎないためにはどうしたらいいのでしょうか。海外の著名なエンジェル投資家は、次のようにアドバイスしています。
「安易な投資を受けるのではなく、可能な限り自己資金運営できるようにしなさい。自己資金で運営をすれば、売却時に損をしないで済むのだから」と。
スタートアップは資金繰りに苦労しますが、自己資金で運営できれば、売却時に大きな資金が手に入ります。エンジェル投資家の投資を受ける際には、出資比率を大きくしすぎないように心がけ、資金以外のコネクションや知識、情報等を得ることを優先しましょう。
またエンジェルを募る際には、「尊敬できる人物」に限りましょう。尊敬できない投資家から支援が得られたとしても、経営で窮屈な思いをするだけです。
事前の取り決めも重要です。株価の配分や投資に関する約束事は双方に誤解のないよう、お互いが納得できるまで何度も、話し合うようにしましょう。