今回は、自分に合った資産形成の制度の選び方を見ていきます。※本連載は、証券アナリスト/AFPの頼藤太希氏、CFP/DCプランナーの高山一恵氏の共著、『1000円から増やす積み立て投資術』(standards)から一部を抜粋し、「つみたてNISA」と「iDeco」のしくみの基本についてわかりやすく解説します。
「投資できる金額」「目的」を検討し、制度を選択
本連載では、積み立て投資にかかる税金をなくせる(減らせる)3つの制度を紹介しました。どの制度を使うべきかは、毎月の投資金額や積み立ての目的、住宅ローンの有無などで変わります。3つの制度でもっとも強力なのは、さまざまな節税効果を生み出すiDeCoですから、できればまず導入してほしいところです。
しかし、iDeCoは老後資金しか貯められず、手数料も比較的高くなってしまいます。したがって、投資金額が少ない(おおむね1万円未満)方は、まずはつみたてNISAを使いましょう。これなら途中で換金し、老後資金以外の用途に使うこともできます。
毎月3万円以上出せる方は、NISAを利用しましょう。非課税枠が大きく、株式投資にステップアップすることもできるからです。iDeCoとの併用を考えてもいいでしょう。
また、住宅ローン控除を利用している人の場合は、iDeCoを利用すると住宅ローン控除の枠を使いきれなくなるケースがあることにも注意しましょう。自分に合った制度を申し込んで、投資を有利にスタートさせましょう。
用 語 解 説
●住宅ローン控除
住宅ローンを借りて住宅を購入した場合、年末の住宅ローン残高の1%が戻ってくる制度。人により金額はさまざまだが、10年間で最大400万円が支払った所得税から還付される。
株式会社Money&You代表取締役
中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。
2015年に株式会社Money&Youを創業し、現職。女性向けWebメディア「FP Cafe」や「Mocha(モカ)」を運営。マネーコンサルタントとして日本人のマネーリテラシー向上に注力している。『1日1分読むだけで身につくお金大全100』(自由国民社)、『はじめてのFIRE』(宝島社)、『そのままやるだけ!お金超入門』(ダイヤモンド社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書多数。
日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載積み立て投資なら絶対に使いたい! NISAとiDeCoのしくみ
株式会社Money&You取締役
慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマンを創業、10年間取締役を務め退任。
その後、株式会社Money&Youの取締役に就任。講演活動、執筆活動、相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。
『はじめての資産運用』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)、『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)など著書・監修書多数。
株式会社Money&You
http://moneyandyou.jp/
FP Cafe
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