前回は、町の不動産屋が「地域の社会貢献活動」に参加する理由を取り上げました。今回は、「最も効果的な広告」を打つ方法を見ていきます。

中小企業は「社名を知ってもらえるかどうか」がすべて

全国展開をする企業だったら、広告にお金をかければかけるほど効果はあると思いますが、私たちのような弱小企業では、それほど広告にお金をかける余裕はありませんし、ピンポイントで地域に知ってもらえれば広告の役目を果たします。だから、金額で考えるのではなく、どれだけ効果があるか、つまり社名を知ってもらえるかどうかがすべてです。

 

たとえばアパートの売買については、1年に6棟ぐらい、つまり2カ月に1棟売れればいいほうです。出入りのお金は大きいですが、そこにいたるまでに細かい交渉や作業がいろいろとあります。そのきっかけをつくるのは、すべて地域の広告です。

 

うちの土地が余っているから有効活用するにはどうしたらいいだろう。そう考えたときに、すぐに私たちの会社名が浮かんできてくれれば、広告効果があったことになります。緑色のポロシャツで町内を訪ね歩くのは、すべてそのためです。

 

小出さんのところに行ってみようと思わせる印象を残すには、色もそうですが、営業マンの態度や誠実さ、一生懸命さ、地域貢献活動を見ていただけたこと、イベントなどのノベルティグッズ、ウェブサイトなどすべてが広告活動です。店でじっと待っていても、誰も寄りついてはくれません。お客様を振り向かせるだけの何かを伝えることが、広告そのものの効果であり、金額ではないのです。

 

普通の企業と違って、お金をかけても売り上げがついてこなければ、費用対効果は悪くなります。費用対効果を上げるためには、お金をなるべくかけないで知ってもらい、契約に結びつけることしかありません。

 

アパート管理を請け負っていますが、大家さんに許可を取ってアパートの看板や塀に会社名と電話番号の入ったポスターを貼らせてもらっているのも、こちらのお願いを聞いていただいているからであり、美容院とのお付き合いも、口コミ効果を狙っていることが大きな目的です。

 

そういった意味では、自分たちの努力だけでなく、他人へのお願いや協力の下で広告をさせてもらっているといっても過言ではありません。地域に特化した広告を打つためには、こうした小さな努力の積み重ねが必要なのです。

宣伝活動をプロジェクトリーダーの裁量に任せてみる

経理上の広告費に関しては、ひとつの方針があります。それは、ノベルティグッズの作成や会社のポロシャツや祭り用の法被など社名を広げるための広告については、会社全体の広告費として計上していますが、たとえばある特定の物件のチラシやプレゼントなどについては、プロジェクトごとの費用の中に入れてしまいます。

 

15人ほどの規模の会社ではあまりやらないことですが、うちではそれぞれをプロジェクト単位の縦割りにして会計しています。その中に個別の広告宣伝費用が入り、プロジェクトのリーダーの権限で実施されるため、歩合制ですからここで費用をかけすぎると自分たちの収入が減ってしまうことになります。

 

そこで、いかにして無駄にお金をかけずに宣伝するかというのが、プロジェクト担当者の工夫次第となります。社員にコスト意識を持たせて、無駄な経費を使わずにいかに取り分を多くするかという点を考えること全体が、事業計画に織り込まれています。このように、広告の扱いに関する明確な線引きが、利益を生む源のひとつとなっているのです。

小さな不動産会社の一人勝ち戦略

小さな不動産会社の一人勝ち戦略

徳島 雅治

幻冬舎メディアコンサルティング

株式会社帝国データバンクの調べによると、2016年度の不動産代理・仲介業者の倒産は93件で前年度の75件を24.0%上回り、3年ぶりの増加となった。負債額別では負債5000万円未満の小規模倒産が68件を数え、全体の7割を超えている…

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