前回は、町の不動産屋が支える、地元の「ミニマムな経済活動」について取り上げました。今回は、町の不動産屋が「地域の社会貢献活動」に参加する理由を見ていきます。

清掃や夏祭りへの参加で「住民からの認知度」をアップ

もうかれこれ3年経過し、緑色のポロシャツもだいぶ町に認知されてきました。

 

エリア担当者が自転車で走り回ってご挨拶している効果はもちろんですが、私たちは積極的に地域のイベントや、地域の活性化を図るために行われている大井町「大井どんたく夏まつり」に揃いのポロシャツで参加し、露店で社名入りのうちわなど、さまざまなグッズの配布などを行っています。

 

また区民のために何かできることはないかと模索し、5~6年前から「みどりと花を守る会」という団体をつくり、池上通りにある「鹿島庚塚児童遊園」の清掃ボランティアを月2回続けています。もともと自主的な社会貢献活動として始めたものですが、現在、品川区役所と正式なサポーター契約を結び、清掃用具や保険の付与をしていただいています。

 

清掃に関しては、公園の草むしりや掃き掃除などを行っていますが、私たちの本業として、アパートの定期清掃サービスを有料で行っている関係上、社員は「掃除のプロ」となっていますから、清掃時間は2時間ほどで要領よく行い、かつ清掃の質は高いと自負しています。

 

また地域の不法投棄などを発見した場合には、ボランティアで回収と清掃作業をしています。

地域教育に参加して「将来の顧客」を拡大

また地域教育にも参加しています。中学校の職場体験授業が品川区で行われています。これは、生徒さんたちが数人の班に分かれて区内の仕事現場を実際に訪問するというものですが、不動産業の見学担当として、私たちが毎年協力しています。私は生徒さんたちを前に、業界や業務の説明をしています。

 

不動産はものづくりではありませんから、具体的なものや制作過程を見せてあげることができません。大きなお金が動く仕事ですから、中学生とはいえ生徒さんたちの中にはピンとこない人もいるかもしれませんが、生徒さんたちは真面目に耳を傾けてくれます。その後、学校に戻ってからレポートなどを提出するのでしょう。また何人かの生徒さんからはその際のお礼状もいただき、むしろ、こちらこそお礼をいいたいぐらいの気持ちで拝見しました。

 

将来いつかどこかで不動産や相続の問題にぶつかることはきっとあるはずです。そんなときに、「昔、町の不動産屋で職場体験をさせてもらったな」と少しでも記憶の片隅に残しておいてくれれば嬉しいかぎりです。

小さな不動産会社の一人勝ち戦略

小さな不動産会社の一人勝ち戦略

徳島 雅治

幻冬舎メディアコンサルティング

株式会社帝国データバンクの調べによると、2016年度の不動産代理・仲介業者の倒産は93件で前年度の75件を24.0%上回り、3年ぶりの増加となった。負債額別では負債5000万円未満の小規模倒産が68件を数え、全体の7割を超えている…

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