誰が「本当の権利者」なのか「登記簿」で確認を
相続対策を思い立ったら、まずすべきことは、所有している不動産の権利関係の確認です。自分で購入した土地に家を建てて住んでいるなどの場合は、登記簿を確認するまでもないでしょう。しかし、先祖代々の土地に住んでいる場合などは、誰が本当の権利者であるか、登記簿を見て確認する必要があります。
たとえば、先祖代々の土地などで、祖父が亡くなって父が家を継いだけれど、登記名義は変更せずそのまま放置している、というのはよくあることです。住んでいる限りはとくに困ることもないでしょう。が、その後、父が亡くなり子が継いだとき、そこに住むのではなく、土地を売却しよう、というときに問題が起こります。登記をせず放置された不動産は、そのままでは売却できないからです。
祖父から父への「登記名義の変更」を放置した結果・・・
たとえば、登記簿の名義が祖父のままの場合、祖父から直接、子には相続登記ができません。正しい流れを遡って登記をすませなければなりません。
祖父から父への相続登記については、その当時に遺産分割協議書が作成されていればそれに基づいて行います。が、作成されていなければ、それを作成するところから始めなければなりません。当時の相続人全員に署名と実印の押捺を依頼するという気の遠くなるような作業が必要となります。
亡くなっている人がいる場合は、その人の相続人まで探し出して署名と押捺を依頼しなければならないのです。もしも相続登記を放置している不動産があるならば、一刻も早く、この作業に取りかかったほうがよいことがおわかりいただけたでしょうか。