今回は、父から相続した不動産の売却時に発覚した「登記」の問題について見ていきます。※本連載は、税理士である間誠氏の著書『マンガ&図解で ズバリ! わかる 相続対策』(株式会社めでぃあ森)より一部を抜粋し、不動産を活用した「相続対策」の基礎知識を解説していきます。

誰が「本当の権利者」なのか「登記簿」で確認を

相続対策を思い立ったら、まずすべきことは、所有している不動産の権利関係の確認です。自分で購入した土地に家を建てて住んでいるなどの場合は、登記簿を確認するまでもないでしょう。しかし、先祖代々の土地に住んでいる場合などは、誰が本当の権利者であるか、登記簿を見て確認する必要があります。

 

たとえば、先祖代々の土地などで、祖父が亡くなって父が家を継いだけれど、登記名義は変更せずそのまま放置している、というのはよくあることです。住んでいる限りはとくに困ることもないでしょう。が、その後、父が亡くなり子が継いだとき、そこに住むのではなく、土地を売却しよう、というときに問題が起こります。登記をせず放置された不動産は、そのままでは売却できないからです。

祖父から父への「登記名義の変更」を放置した結果・・・

たとえば、登記簿の名義が祖父のままの場合、祖父から直接、子には相続登記ができません。正しい流れを遡って登記をすませなければなりません。

 

祖父から父への相続登記については、その当時に遺産分割協議書が作成されていればそれに基づいて行います。が、作成されていなければ、それを作成するところから始めなければなりません。当時の相続人全員に署名と実印の押捺を依頼するという気の遠くなるような作業が必要となります。

 

亡くなっている人がいる場合は、その人の相続人まで探し出して署名と押捺を依頼しなければならないのです。もしも相続登記を放置している不動産があるならば、一刻も早く、この作業に取りかかったほうがよいことがおわかりいただけたでしょうか。

 

本連載は、2017年11月22日刊行の書籍『マンガ&図解で ズバリ! わかる 相続対策』(株式会社めでぃあ森)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

マンガ&図解で ズバリ! わかる 相続対策

マンガ&図解で ズバリ! わかる 相続対策

間 誠

株式会社めでぃあ森

オールカラーで見開き完結。 相続対策に目覚めた3人の男たちのストーリーマンガと、図解を多用したビジュアルな説明。 生前贈与、生命保険、不動産、遺言書、信託、による相続対策をわかりやすく解説しています。 最新税法…

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