決してネガティブなスキルではない!
「ウソを見抜く」というスキルは、どちらかというとネガティブに聞こえがちです。
私は大手企業でも研修を行っているのですが、「お客様を疑っているような研修テーマですよね」と言われることもあります。また、「採用面接でのウソや人間の本質の見抜き方」というテーマの研修でも「応募者を疑ってかかるようでかわいそうだ」と感じる方もいるようです。
これは「ウソを見抜く」ということが、「相手が本当のことを言っていない、つまりウソを言っていること」を前提としているからです。「商売には信頼関係が大事なのに、その信用を鼻から疑っているとは何事か」、そんな意味合いにも捉えられます。
しかし、もし相手のウソが見抜けたら、正しい情報を得ることができます。その結果、正しい判断ができるため、自分が求める最善の結果に近づくことができます。当然、騙されることはありません。
たとえ完全にウソを見抜けなくても、相手からウソのサインを読み取ることができたら、そのあとの交渉は注意を払うので質問内容も変わり、交渉力は向上します。
交渉に必要なコミュニケーションスキルとして、説明力、表現力、傾聴力、質問力、説得力など個別のスキルがありますが、これらに加えて「ウソを見抜く力」を身につけましょう。そうすることで、有利な状態で交渉や商談に臨めることができるようになります。
つまり、「ウソを見抜くスキル」は決してネガティブなスキルではないのです。それを理解してください。
警察組織の「階級」はどのようになっているのか?
<刑事の雑談>
刑事ドラマでは、殺人現場に私服刑事が現場に到着すると、現場保存中の警察官が敬礼をして迎え入れるシーンがあります。あれを見ると、刑事の方が偉そうに見えますよね。その影響もあるのでしょうが、「制服の警察官より刑事の方がエライのか?」と質問されることがあります。
その答えは・・・刑事が偉いということはありません。そもそも警察は階級社会なので、上司と部下は階級で区別されています。巡査からはじまって巡査部長、警部補、警部、警視、警視正・・・の順番で偉くなります。ですから制服の警察官が「巡査部長」で、私服の刑事が「巡査」ということもあります。そのときは、制服の警察官の方が階級上は偉いということになります。
刑事は専門職ですから、イメージとして警察官より偉く見られがちなのかもしれませんね。
ちなみに警察組織で偉くなるには、毎年定期的に行われる昇任試験に合格しなければなりません。階級上、警視正以上が国家公務員になり試験はありませんが、巡査部長から警視までは試験で昇任していきます。ですから警察官は生涯にわたり、勉強しなければなりません。
警察官の家庭では娘や息子が大学受験、お父さんは昇任試験で机を並べて勉強ということが普通にあります。私も学生時代よりも警察に入ってからの方が勉強をしたように思います。
昇任試験の内容は予備(S・A試験)、一次(論文試験)、二次(面接、点検教練)が一般的です。法律を使う職業ですから、憲法、刑法、刑事訴訟法はもちろん、道路交通法、風営法などの特別法も勉強する必要があります。
階級社会の優れた点は年功序列ではなく、実力社会だということです。ですから先輩を簡単に追い越すことができます。やる気のある人間にとっては、非常にいい制度だと思います。その代わり、若くして偉くなると先輩ばかりが部下になり、これをうまく使っていかなければなりません。
警察幹部は自然とマネジメント力も身につく組織なんですね。