今回は、収益物件が赤字の際に、とってはいけない行動を取り上げます。※本連載では、株式会社カウルの代表取締役・三井和之氏の著書、『不動産投資の赤字を脱却するスゴイ方法』(サンライズパブリッシング)から一部を抜粋し、不動産投資で赤字の兆候があるときの対応策を見ていきます。

サラ金で損失補填すれば、雪だるま式に債務が膨らむ

赤字が出たときに一番やってはいけないことは、穴埋めのためにさらなる借金を重ねることです。人知れず補填を続け、給与収入だけではいよいよカバーしきれなくなったとき、新たにお金を借りてまで返そうとする人がいます。

 

借金のために新たな借金をする。いわゆる自転車操業です。金利はどんどん高くなっていき、債務は雪だるま式に増えていきます。

 

銀行のカードローンは以前より少しは厳しくなっていますが、無担保で1000万円も借りられるところもあるようです。消費者金融などのノンバンクと違って総量規制の縛りが適用されないものも原因かもしれません。不動産投資が拡がっているのと同じようにマイナス金利の影響で貸し出し姿勢を強めている影響もあるのでしょう。

 

今では自主規制によってノンバンクと同様に年収の1/3までしか借りられないようにする銀行も増えていますが、ここでも「高属性の罠」にはまる可能性があります。

 

収入が高ければ高いほど借りやすいため、気づいたころには取り返しがつかないほど債務が膨らんでいるということがありうるのです。しかもカードローンの審査は不動産投資で利用するアパートローンよりもはるかに簡単です。

 

ノンバンクも総量規制の影響を受けるとはいえ、高属性の人にとっては大きなお金を借りられる可能性が高いのは同じことです。

運営管理の改善が無理なら、返済計画の見直し・売却を

一般ローンが危険であることの最大の理由は、金利の高さです。利息制限法の上限金利は、借り入れ額100万円以上の場合で年15%。アパートローンは1%台~高くても5%ですから、3~10倍です。使途が自由なフリーローンの多くは、この上限金利が基本となります。借りやすいローンほど、利率を高くすることによって貸し倒れのリスクをカバーしようとしているため、高い利息費用がかかるのです。

 

金利が年3%のローンを返すために、年15%のサラリーマン金融で借りて返す。冷静に考えると、金融業者のために借金しているようなものです。

 

仮に賃貸経営がV字回復してキャッシュフローが黒字になったとしても、さらなる高金利の返済に追われることになります。ローンの返済額は赤字だったころよりも膨らみ、リスクは内在されたまま。根本的な問題は解決していないのです。

 

赤字の補填で給与収入を使うことは悪手ですが、返済のために他から借金をすることはもっと避けるべきです。運営管理を改善するか、それができなければ返済計画の見直し、または物件の売却をおすすめします。

 

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三井 和之

サンライズパブリッシング

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