本連載では、株式会社ジェイターボ・代表理事、一般社団法人Read For Action協会・リーディングファシリテーターである徐丞範氏の著書『韓国ビジネス 53の成功ルール』(合同フォレスト)から一部を抜粋し、日本での居住経験と日韓ビジネスの実績を数多く持つ筆者が、韓国ビジネスを成功に導く「相手との付き合い方」を説明します。

「いかに同じか」ではなく「そもそも違う」と考える

私の25年以上に及ぶ、日本とのビジネス経験から、主にビジネスにおいて有効なコミュニケーションのやり方を紹介したいと思います。参考にしていただければ、ビジネスばかりでなくプライベートでの付き合いも、もっとスムーズになるはずです。

 

私たちは、文化や習慣などが近いと思われる国の人については、「価値観も似ているだろう」と、考えがちです。

 

『異文化理解力』(英治出版)の著者、エリン・メイヤー氏によると、他国に駐在した外交官についての調査で「文化や生活になじめず、任期途中で帰国することになった」のは、アメリカ人がイギリスに駐在した場合が、一番多いそうです。

 

日本や韓国などのように、文化が大きく異なる国に赴任したのではなく、同じ英語という言語を話すイギリスだったということに、私は驚きました。

 

しかし、文化的に近いと感じると、自分が「当たり前」と思うことは、相手もそうだろうと無意識のうちに考えてしまい、違いに突き当たったとき、ストレスになるのでしょう。

地理的にも近く、人々の見た目も似ているが・・・

私は、日本と韓国の間にも、同じことが起こっていると考えます。

 

地理的にも近く、見た目も似ている日本人と韓国人。そのため、お互いに「きっとそうだろう」という思い込みが多くあり、相手が期待と違う行動をとると、がっかりして非難してしまうのです。

 

日本と韓国が、うまくやっていくためには、まずは、基本的にお互いは「そもそも違う」という前提を持つ必要があると、私は考えています。

 

人間関係を構築するとき、私たちは、つい相手との共通点を見つけて「いかに、同じか」で、親しみを感じる傾向があります。友人関係なら、それもいいでしょう。お互いに信頼できるようになれば、相違点も受け入れやすいからです。

 

でも、ビジネスの現場では少し事情が異なります。違いをわかったうえで、お互いにとって効果的なコミュニケーションをとることが、双方の結果に結びつくのです。

韓国ビジネス 53の成功ルール

韓国ビジネス 53の成功ルール

徐 丞範

合同フォレスト

日本での居住経験と日韓ビジネスの実績を数多く持つ筆者が指南する、韓国人とビジネスを円滑に進め、良好な人間関係を築くために知っておきたいポイント。 日本人と韓国人の違いや特性を理解し、お互いの強みを生かせば、私…

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