さまざまな診療科目に関係する「めまい・耳鳴り」という症状

前回は、めまい・耳鳴りの原因となる「脳神経・目」の問題について取り上げました。今回は、「めまい・耳鳴り」の症状で耳鼻咽喉科以外の診療科目にかかっても差し支えない理由を説明します。

「特定の部位の症状」だと思い込まないほうがいい

耳鼻咽喉科の医師である私が、「めまい・耳鳴りの専門」を標榜していることは、すでに申し上げたとおりです。しかし、このように原因を見てきたうえであらためて考えると、めまい・耳鳴りという症状には、ほかのさまざまな診療科目も関係していそうだと、お察しになったのではないかと思います。

 

皆さんなら、めまい・耳鳴りを、何科の病院で診てもらうでしょうか。耳鼻科やめまい専門外来に行きますか。脳神経外科、あるいは神経内科でしょうか。それとも、眼科や婦人科、心療内科などで、ほかの病気に関連した症状として診てもらっているでしょうか。

 

私自身は、どんな診療科目を選ぶかにかかわらず、めまい・耳鳴りを特定の部位の症状だと思い込まないほうがよいと考えています。また、どこの病院に行っても無意味ということはありません。

脳血管のトラブルが見つかり、命拾いしたケースも

めまいが起こったとき、「もしかして脳梗塞ではないか」と心配すれば、脳神経外科に行くのではないかと思います。そして、脳神経外科で調べてもらったたいていの患者さんは、「脳はなんともないから耳鼻科に行ってごらんなさい」と言われます。

 

しかし、本人の不安を取り除くという意味で、脳神経外科の診断を受けるのはよいことだと思います。ありふれためまいだと思っていたら脳血管のトラブルだったという場合もあり得ますから、脳を診てもらって命拾いすることもあるわけです。

 

もしも脳梗塞が見つかったら早期診断となってそれだけ治療しやすいし、脳梗塞が見つからなかった場合はそのぶん安心できるということです。

 

めまい・耳鳴りを訴えてまっすぐ耳鼻科にいらっしゃった患者さんも、年配の方だとまず小脳梗塞を疑い、あるいは脳腫瘍の一種である聴神経腫瘍などのリスクも考慮して診断をしています。

医療法人社団一医会 耳鼻咽喉科渡辺医院 院長 

1951年、東京生まれ。岐阜大学医学部卒業。東大病院分院耳鼻咽喉科助手、JR東京病院勤務を通して、めまい、耳鳴り、難聴、いびきなど多くの症状に接し研鑽を積む。1988年に渡辺医院を開業。日本耳鼻咽喉科学会専門医の資格を持つ。日本耳鼻咽喉科学会、日本めまい平衡医学会、日本聴覚医学会、日本頭痛学会、日本気管食道科学会所属。めまい・耳鳴りのみならず、耳鼻科の切り口から危険な頭痛を見抜き、片頭痛の治療を行っている。

医療法人 社団一医会 耳鼻咽喉科 渡辺医院
https://miminari-watanabe.com/

著者紹介

連載本当は怖い「めまい・耳鳴り」の基礎知識

本当は怖い めまい・耳鳴り

本当は怖い めまい・耳鳴り

渡辺 繁

幻冬舎メディアコンサルティング

めまい・耳鳴りを完治させるためには「市販薬に頼り切らない適切な対処と日常生活での心がけ」がカギとなります。 耳鼻科の切り口からめまい・耳鳴りの根本原因を見抜き、治療することに長けた著者が、つらい症状を治すための…

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