前回は、耳の病気が原因で起こる「めまい」の例を紹介しました。今回は、「めまい・耳鳴り」の原因となる病気の例を見ていきます。

めまいの原因として最も多い「良性発作性頭位めまい症」

良性発作性頭位めまい症は、めまいの原因として最も多く見られます。

 

この病気の特徴は、頭を動かしたときに回転性のめまい発作が起こることです。急に振り向いたときや、寝ていた人が起き上がったときなどに、激しい回転性のめまいが起こります。発作はだいたい数十秒で止まりますが、強いめまいなので、不安に感じる患者さんが多いようです。

 

良性発作性頭位めまい症は、半規管内にリンパの流れを乱すものが生じた結果、起こると考えられています。

 

最も多いのが、耳石器からはがれた耳石が半規管に入り込んだ浮遊耳石(半規管結石)です。頭を動かすと、その動きによるリンパの流れのほかに、浮遊耳石の移動による流れも生じるため、めまいが起こります。また、はがれた耳石が半規管内に沈着することも、めまいの原因となります。このめまいは、内耳のトラブルが原因ですが、耳鳴りや難聴は伴いません。

「突発性難聴」の患者の多くが耳鳴りを訴える

突発性難聴の多くは、あるとき突然、片耳がほとんど聞こえなくなるといった表れ方をします。両耳に同時に表れることもあります。難聴というと、加齢による難聴が多いのですが、突発性難聴は年齢に関係なく発症します。40歳代から60歳代の人に多く起こり、男女による差はほとんどありません。

 

患者さんの多くは耳鳴りを訴え、だいたい半数の方にめまいが起こります。めまいはグルグル目が回る回転性のもので、吐き気を伴うこともあります。

 

突発性難聴は、検査をすると、内耳に問題が生じた「感音性難聴」だとわかります。難聴は、大きく分けると「伝音性難聴」と「感音性難聴」に分かれます。音を内耳に伝える外耳と中耳に問題が生じて起こるのが伝音性難聴で、内耳に何かしらのトラブルが生じて起こるのが感音性難聴です。

 

感音性難聴は伝音性難聴に比べて治りにくいとされますが、突発性難聴の場合は早めに治療を始めれば(1週間が目安)、完治する可能性もある病気です。ほうっておくと高度の難聴が残ってしまうので、早めに治療を受けてください。

 

突発性難聴の原因としては、ウイルスの感染や、内耳の血流障害などが考えられていますが、まだはっきりとはわかっていません。強いストレスを抱えているとウイルス感染や血流障害も起こりやすいので、生活を見直してみることも必要かもしれません。

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