売却意欲が高まる日本の投資家
日本の投資家は売却意欲が高まっています。売却額が前年に比べて増加すると回答した全体の34%となり、前年の調査結果から14ポイント増加しました。一方、投資額が前年を上回ると回答した投資家は全体の29%となり、前回調査から9ポイント低下しました。
また、投資家は国内外の急激な景気変動や不産価格落を最大のリスクと考えています。これらの回答結果は、今後売却物件が増えることを示唆しているものの、売主と買主との間の価格目線の格差も開きつつあるため、取引の成立に時間を要する事例も増えると考られます。
高利回りを求めオルタナティブアセットへの投資を模索
主要なアセットタイプの利回りが低下するなか、投資家はより高い利回りを求めてオルタナティブアセットへの投資を模索しています。特に、「ミレニアル世代」、「高齢化社会」「テクノロジー」などのキーワードが象徴する構造変化により需要拡大が見込まれアセットクラス対し、投資家の関心が高まっています。今後を検討するセクターとしては、「学生寮・学生用マンション」が20%と最も高く、次いで「データセンター」、「サービス付き高齢者向け住宅/老人ホームなど」「ヘルスケア」が16%を占めました。
なお、投資対象全体のなかでもっとも魅力的アセットタイプしては、引き続きオフィス(回答率:41%)が 選ばれています。次いでホテルが26%で、前回調査から10ポイント増加しました。
海外投資家が選ぶもっとも魅力的な都市は「東京」
アジア太平洋地域を投資対象とする海外投資家は、魅力的な都市として1位に東京、7位に日本の地方都市を選びました。2018年は、海外投資家からの日本に対する関心がさらに高まることを示唆しています。日本がもっとも魅力的だと回答した海外投資家のうち、もっとも多かったのはアジアの投資家で、海外投資家全体の50%を占めました。2018年も、アジアの投資家が日本インバウド投資のけん引役となると考えられます。
さらに、2018年の日本のインバウンド投資額そのものが前年に比べて増加する可能性があり、日本がもっとも魅力的だと回答した海外投資家について、全世界で予定している投資額をまとめたところ、「2017年より減少する」の回答はなく、「2017年と同じ」と「2017年より多い」がそれぞれ48%と52%を占めました。