契約までに至る期間は、状況や人によってさまざま
不動産を購入する際、実際の契約までにはどのくらいの期間(時間)がかかるのでしょうか。かかる期間によって、どのくらい時間が残されているのかを知ることができます。どのくらいの時間が使えるのかが分かれば、戦略も練りやすくなります。
ただし、契約まで至る期間というものは、必ずしも一定ではありません。それこそ、購入する人がどのくらいのスピードで意思決定をするのかによって、大きく変わることになるのです。つまり、基準はないと考えていいでしょう。
例えば私が担当したケースでは、現地への来場から最短15分で契約の決断に至ったこともあります。その方はすでにエリアを限定されており、引っ越ししなければならない期日も明確だったため、そのようなスピード契約となりました。
このようにわずかな時間で契約に至るケースはまれですが、そういう人もいるということは知っておくべきでしょう。もちろん、悩んだ時間と購入後の満足度が比例するということもありません。長時間悩んだからといって、満足できるとは限らないのです。
また、建売住宅を購入するのか、それとも注文住宅を購入するのかによっても、契約までの期間は変わります。建売住宅であれば現物があり土地が決まっているのでスムーズに進みやすく、注文住宅はそれなりに時間がかかることになります。
このように、契約まで至る期間というものは、さまざまであると認識しておきましょう。
「住宅に求めているもの」を明らかにしたうえで契約を
短時間での契約にしろ、時間をかけた契約にしろ、大切なのは「自分が住宅に求めているものはなにか」ということを明らかにしたうえで、契約することです。それが明確になっていないのであれば、本質的なところにズレが生じてしまいます。
求めているものが明確ならば、契約までに時間はそれほどかかりません。そこから逆算して、「立地はどこがベストなのか」「どういう間取りが望ましいのか」「予算はどのくらいになるのか」を考えていけばいいわけです。
一方で、なにを求めているのかがまったく分からない状態で不動産業者のもとを訪ねた場合、まずは「なにを求めているのか」を明確にすることから始めなければなりません。そのような際には、じっくりとヒアリングをする必要があり、時間がかかるのです。
どのような住宅を望んでいるのかを知り、そのことについて信頼できる不動産業者に相談すれば、提示される物件は絞られていきます。その中から、本当にいいものを選べば後悔する可能性も少なくなるでしょう。
また、手続きや住宅ローンの申し込みなどについては、物件さえ決まっていればあとは流れ通りに進めていけばいいだけです。あらためて考えなければならないこともありますが、意思決定という部分の苦労はもはやありません。残るは手続き上の問題だけです。
諸手続き、住宅ローンの申し込み、審査を経て、最終的な引き渡しに至ります。それまでの期間については状況にもよりますが、順調にいけば3週間から1カ月というのが一つの目安になるでしょう。いずれにしても、スピード契約を実現するためには、求めるものが明確である必要があります。