前回は、不動産広告のキーワードである「掘り出し物」をどのように考えるかを取り上げました。今回は、マイホームの寿命を延ばす「メンテナンス」の重要性を見ていきます。

メンテナンスの状況で「住宅の寿命」は大きく変わる!?

お子さんの学習環境という観点から考えると、幼稚園や保育園、小学校、中学校などを意識することが多いかと思います。ただ、自宅もまた学習環境の一環です。どのような住まいに住むかということが、お子さんの学習に影響を与える可能性もあるのです。

 

特に、お子さんが成長するにしたがい、どのように住まい環境が変わるのかということについては、あらかじめ意識しておいたほうがいいでしょう。最近では、100年以上にわたって住み続けられる住宅もありますが、問題なのはメンテナンスについてです。

 

一戸建てのマイホームは、メンテナンスが重要といわれています。それこそメンテナンスの状況によって、住宅の寿命は大きく変わる可能性があります。まったくメンテナンスをしないのと、メンテナンスを定期的にしているのとでは、のちのち雲泥の差が生じます。そうは言っても、あまりに頻繁にメンテナンスをするようでは、住みにくくなってしまうかもしれません。お子さんから「また工事するの?」と言われるほどメンテナンスに気を使っていては、学習環境という観点からもマイナスでしょう。

 

そのため、住宅の寿命を延ばすために最低限のメンテナンスをしつつも、頻度についても考慮しておくことが大切です。きちんとした住宅であれば、定期メンテナンスで十分でしょう。そのあたりはバランスを考慮して対処するようにしてください。

 

また、立地状況によっても、メンテナンスの必要性は変わってきます。例えば雪が多い場所であれば雪害に関連したメンテナンスが必要となりますし、寒暖差が激しい地域であれば、それ相応のメンテナンスが必要です。総合的に判断するようにしましょう。

必要経費と考え、計画的な実施を

依頼する業者によって、メンテナンスの内容に大きな差があるということはありません。どの業者に頼んでも、必要最低限のメンテナンスを実現できると考えておいていいでしょう。ただし、ごくまれに悪徳業者もいるので注意してください。

 

工事費用については、リフォーム業者によってマチマチです。築10年の建売中古を改修するのには材料費だけでおおむね50万円ほど、工賃も含めればおおむね100万~200万円ほどになるのが一般的です。それぐらいの費用がかかるということを、あらかじめ念頭に置いておきましょう。

 

住宅ローンの支払いがあることを考えると、メンテナンス費用はできるだけ抑えたいと考えている方がほとんどかと思います。ただ、メンテナンスをしなければ、住宅の価値は下がってしまいます。必要経費と考え、計画的に行うことが大切です。

 

不動産業者の中には、メンテナンス費用も含めたパック料金で住宅を販売している業者もあります。気になるようであれば、あらかじめ相談しておきましょう。立地からメンテナンスまで総合的に考えてこそ、より良い住まい選びに結びつくものです。

本連載は、2018年1月22日刊行の書籍『絶対得する!初めての一戸建て購入マニュアル』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

絶対得する! 初めての一戸建て購入マニュアル

絶対得する! 初めての一戸建て購入マニュアル

久水 陽介

幻冬舎メディアコンサルティング

立地選びの基本から、お得なローン、不動産会社の裏事情、営業マンの仕掛けるワナまで生涯一度の買い物で後悔しないための必読の書。 一戸建ての購入は、多くの人にとって人生で一度の大イベント。 ところが、実際に家を買っ…

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