前回は、相続した不動産を売却するための基本的な流れを説明しました。今回は、相続物件を売却する際、頼れる不動産会社を見極めるポイントを紹介します。

相続不動産には「難しい物件」が多い

不動産を売却することは人生でそう多くはありません。だから、どこに相談して、どのような手続きがあって、どのくらいで売れるのかを把握をするのは、なかなか難しいというのが大方ではないでしょうか。そのため、一般的にはテレビCMなどで見かける不動産会社に声をかけて相談することが多いようです。確かに、社員教育もしっかりされており、大手のグループに属しているという安心感もあります。

 

一方、不動産会社は大手だけではなく、駅の近くにオフィスを構えて、地場でしっかりと営業している会社も多くあります。どの会社も誠実な対応をされていますが、相続不動産の場合は注意が必要です。

 

なぜ注意が必要かというと、相続不動産は難しい不動産が多いのです。先ほどお話しした大手もそうですが、地場の不動産会社は、住まいや事務所・店舗については経験豊富であることは間違いありません。この部屋を借りたい、このマンションを買いたい、自宅を売却したい、といった相談を数多くこなしています。

 

翻(ひるがえ)って相続にかかる不動産はどのようなものでしょうか? 当然、いわゆる普通の一戸建てやマンションもありますが、相続不動産は、相続税のかかる富裕層の方々が所有している不動産が多いため、左記にあるような特徴を持つものが多いのです。

 

●土地がかなり大きい。

●不整形である。

●権利関係が複雑。

●一棟の建物に住宅・事務所・店舗が入り混じっている。

●生産緑地や農地である。

●底地や借地である。

●一つの敷地に複数の建物がある。

●違法建築であったり、遵法性に問題がある。

●接道に問題がある。

●賃借人とのトラブルが多い。

問題解決力が高い、「士業のネットワーク」を持つ会社

このような難しい不動産を取り扱うには、知識と経験がものをいいます。複数の難しい問題を論理的・感情的に整理できるかどうかで売却金額、売却条件は大きく違ってきます。そうなると、不動産に精通したコンサルタントはどうでしょうか? 個人的には会社の規模は関係なく、その担当者が知識と経験が豊富かどうか──この違いによって、売却金額や契約条件に差が出て、結果としてお客様の満足度も変わってくると私は考えています。

 

また、不動産会社を決めるポイントとしてですが、担当者が、税理士、弁護士、不動産鑑定士、司法書士といった専門家とのネットワークを持っているかが挙げられます。担当者1人の知識と経験には限度がありますが、専門家とのネットワークがあれば知識を補充できることから、こうした士業ネットワーク力は強みとなります。

 

なお、最近では、パソコンを活用して高度な資産分析を行なう会社も増えてきました。不動産の売却においても定量分析を行なうことは大切であり、大手、中小に限らずこのようなプロセスがなく会話や簡易なメールだけで事が進む場合は気をつけたほうが良いでしょう。

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