「立地」「仕様」「 セキュリティ」「管理体制」
投資する物件がある程度絞り込めたら、売主や仲介している販売会社からより詳しい情報を収集することになります。優良物件を見分けるために、不動産会社に確認しておくべき事項は、主に次の四つです。
〈不動産会社に確認すべきこと〉
立地 仕様 セキュリティ 管理体制
立地や仕様は基本事項ではありますが、周辺に商店街、コンビニ等があるかどうか、といった地域の情報も聞き出すようにしましょう。自分自身で物件の下見をするという人は多くはないため、不動産会社からの情報を頼りに、物件の具体的なイメージを膨らませることになります。
物件の人気はセキュリティに大きく左右されます。オートロック、テレビモニター付きインターフォン、監視カメラの有無のほか、24時間管理かどうかなどは、入居率にも関係する重要なポイントですが、意外に見落としがちなため注意しましょう。
管理体制のうち、家賃滞納トラブルへの対処などについては、一言でいえば「親身になってくれるところかどうか」で判断しましょう。社内に営業がおらず賃貸管理だけをする会社では、オーナーの気持ちは分からないものです。また、一部ではありますが、家賃を上げる交渉をしてくれたり、社員全員で物件の掃除をしてくれたりするような熱心な会社もあります。
希望に近い物件が見つかったら、販売資料を取り寄せ、詳しい情報を確認しましょう。
利回りに納得したら、物件の周辺情報をチェック
販売用資料が届いたら、自分で利回りを計算しましょう。不動産の利回りには「表面利回り」と「実質利回り」があります。表面利回りは次の式で計算します。
〈表面利回りの計算式〉
年間の家賃収入÷購入価格
たとえば、2700万円のワンルームマンションで毎月9万4000円、年間112万8000円の家賃収入が得られるのであれば、9万4000円×12カ月÷2700万円で利回りは約4.2%です。
管理費や修繕積立金、不動産会社への支払い管理委託費が年間合計で14万円かかるとすると、年間の手取り収入は98万8000円となります。
さて、表面利回りには管理費などの経費が加味されていません。そこで、経費を差し引いたあとの手取り家賃で利回りを計算したものを実質利回りといいます。
〈実質利回りの計算式〉
(年間の家賃収入-運営コスト)÷購入価格
先の例で管理費や修繕積立金、不動産会社に支払う管理委託費の年間合計は14万円、家賃収入は112万8000円。実質利回りは(112万8000円-14万円)÷2700万円で算出すると約3.7%となります。
利回りに納得できたら、物件の周辺情報をチェックしてみましょう。まずは、グーグルマップを利用します。住所を入力して物件の所在地を確認したら、最寄り駅までの時間を計算します。グーグルマップでルート検索をすると、徒歩でどのくらいの時間がかかるかが分かります。物件周辺の状況はストリートビューを利用します。
物件の近くに騒音がありそうな工場があったり、墓地などがあったりすると、入居者が敬遠する可能性があります。
周辺に問題がなければ、実際に現地を訪れてみます。入居者がいない物件であれば中を確認することもできますが、入居中の場合には外観をしっかりと確認します。
現地では書類には表れない状況を確認できます。たとえば、同じ築年数でも管理のしっかりとした物件とそうでない物件では、外観に大きな差が出ます。外観が古ぼけていれば、入居者も敬遠するでしょうから空室率に影響を及ぼします。
入居者がいない物件であれば、仲介会社に連絡をして内観をチェックします。その際には、リフォームの状況を確認し、リフォームされていないようであれば、無料でリフォームをしてもらえるのか、または、リフォーム代相当分を値引きしてもらえるのかを交渉していきます。