今回は、会社売却の前に考えておきくべき、「希望条件」と「希望価格」について説明します。※本連載では、島津会計税理士法人東京事務所長、事業承継コンサルティング株式会社代表取締役で、公認会計士/税理士として活躍する岸田康雄氏が、中小企業経営者のための「親族外」事業承継の進め方を説明します。
自社の現状と将来性を客観的に分析し、着地点を探す
親族外承継(M&A)を行うと決めたならば、まずは希望条件を整理しておきたい。決算書や税務申告書などの財務情報は、手元に揃えておくことである。事業計画や営業資料など、社内情報も必要だ。
それらに目を通して自社の現状と将来性を客観的に分析しておく。買い手にとって魅力のある会社かどうか、高く買ってくれそうか、親族外承継(M&A)の着地点をイメージするのである。
引退後の生活費を予測し、希望の売却価格も決めておく
また、引退後の生活費を予測し、希望する売却価格も決めておく。
売却価格は財務データだけで評価されるものでなく、景気動向、市場環境、業界動向などの定性的要因が影響してくるため、希望価格が必ずしも実現できるとはかぎらない。しかし、目標となる株価を設定し、価格交渉を行う必要がある。それゆえ、税理士や公認会計士のアドバイスを聞いたうえで売却価格を試算し、希望価格で売れるか会社かどうかを確かめておきたい。
[図表]売り手の価格目線と売却実現可能性
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公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)
平成28年度経済産業省中小企業庁「事業承継ガイドライン委員会」委員、令和2年度日本公認会計士協会中小企業施策研究調査会「事業承継支援専門部会」委員、東京都中小企業診断士協会「事業承継支援研究会」代表幹事。
一橋大学大学院修了。中央青山監査法人にて会計監査及び財務デュー・ディリジェンス業務に従事。その後、三菱UFJ銀行ウェルスマネジメント営業部、みずほ証券投資銀行部M&Aアドバイザリーグループ、メリルリンチ日本証券プリンシパル・インベストメント部不動産投資グループなどに在籍し、中小企業の事業承継から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業承継とM&A実務を遂行した。現在は、相続税申告と相続・事業承継コンサルティング業務を提供している。
WEBサイト https://kinyu-chukai.com/
著者登壇セミナー:https://kamehameha.jp/speakerslist?speakersid=142
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