今回は、「オーナーチェンジ物件」購入の際に留意すべきポイントを見ていきます。※本連載では、徹底した現場主義で多くの賃貸トラブルを解決へと導いてきた太田垣章子氏の著書、『2000人の大家さんを救った司法書士が教える 賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド』(日本実業出版社)より一部を抜粋し、「空室」「滞納」など様々な賃貸トラブルの予防策と解決法についてわかりやすく解説します。

入居者の「必要書類」はそろっているか?

オーナーチェンジ物件で一番気をつけないといけないことは、すでに入居している方の必要書類がそろっているかどうかの確認です。

 

買い手が見つかりやすい満室の状態で売却したいがために、売主(前の家主)がサクラの入居者を入れているかもしれません。

 

書類がないと、トラブルが発生したときに通常の何倍も手間がかかってしまいます。書類がそろっていることは、物件購入のポイントになると言っても過言ではありません。

 

しかし、物件購入を決める段階では、契約書などを見せてもらえません。そこで、売主側にいくつか質問をすれば、その答えからある程度の状況が推測できます。

 

「この書面は原本がありますか。それともコピーでしょうか」というふうに、書類が偽装でないかどうか推測できる質問をしてみます。このとき、賃貸借契約書や入居申込書、入居者全員の住民票や連帯保証人の印鑑証明書なども確認したいところです。

 

それらの有無について、エクセルなどで質問表をつくり、回答してもらうと効率的です。

 

売主側も自信があれば質問表に回答してくれるでしょうし、もし回答がなければ信頼できる物件かどうかのひとつの判断材料にもなります。

 

賃貸物件の売買代金は、建物の価値だけにかかるものではありません。入居者の属性や書類の有無も含めた金額なので、建物以外の点も十分に確認しましょう。

訪問や手紙の送付の際は、圧力をかけないよう注意

また、今回の滞納者(滞納トラブルについては第3章でも詳述※書籍参照)のように、小さな子供がいる家庭は、予防接種や児童手当など行政制度の関係で、住民登録をきちんとしていることが多いものです。

 

そのような場合はまず、住民票の住所へ訪問をしたり、手紙を送付したりしてみます。

 

このときに気をつけることは、絶対に力で押さないこと。手紙にも強い口調を使ってしまいがちですが、逆効果です。とくに、「滞納額の請求」を先にしてしまうと、賃貸借契約の解約書や、残置物放棄書を手にすることがなかなかできなくなります。

 

本人から書面がもらえない場合、裁判で明け渡しの判決をとってから、強制執行で残置物を撤去するしかなくなります。そうなると、どんなに早く手続きをしても、裁判所の手続き上、最短で4か月はかかるので、その間も賃料の滞納が続くことになります。

 

そんな状況にならないためにも、次のことを忘れないでください。

 

●まずは賃貸借契約の解約書と残置物放棄書をゲットする!

●お金の請求はその後!

 

繰り返しになりますが、交渉事は「力で押すと力で跳ね返ってくる」という鉄則を、覚えておきましょう。

 

●オーナーチェンジ物件は、入居者情報の有無も確認する

●交渉事は力で押すと力で跳ね返されると心得る

●滞納発覚時、まずは賃貸借契約の解約書と残置物放棄書をゲットする

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