無視できない、上場企業の「倒産リスク」
2016年度は上場企業の倒産は発生せず、倒産件数は1990年度以来、26年ぶりのゼロ件でした。裏を返せば毎年毎年上場企業の倒産があるということです。
あのリーマン・ショックピークの2008年には45件も上場企業が倒産しています。当時を振り返ると、そのころは本当に市場が混乱しているのが目に見えてわかりました。
あるとき、私の友人が勤めていた上場企業が倒産したというニュースがヤフーニュースに流れていました。その友人に連絡すると、「先ほど朝礼で言われた」とぼう然とした口調で伝えられました。また、大勢の友人や知人から「所有する株が紙くずになった。大損した」という話をよく耳にしたものです。
不動産価格は下がっても、「賃料の急降下」はない
不動産業界も名だたる上場不動産会社が倒産するだけでなく、大家に対しての家賃の未払いや敷金の使い込みなどの大きな問題が発生し大混乱でした。当然、投資用不動産の価格も急転降下しましたが、歴史の教訓として、今自信を持っていえることもあります。
それは不動産の価格は下がっても、賃料は急降下せず「家賃」は安定して入り続けていたということです。
私の顧客の中に株も不動産投資も積極的に行っている人がいます。そのお客様は、リーマン・ショックのときに、持っていた株が大暴落したために大きな損を被りました。しかし所有していた不動産は、価格が下がったものの、家賃収入は変わらずに安定して確保し続けることができました。
なぜならば景気が急落してもその部屋を借りている賃借人はそこに住み続け、家賃を支払っていてくれたから、たったそれだけのことなのです。もちろん、当時の入居者はだいぶ前に退去してしまいましたが、新しい入居者がちゃんとついて家賃を払ってくれています。