株式投資に比べ、損失によるリスクが小さい
続いて不動産投資のメリットについてみていきましょう。
まず、不動産は株式投資などと違い「現物資産」すなわち「実在するモノ」であるために価値を失うことがありません。このことがどれほど重要な意味を持つのか―典型的な投資商品の一つとして知られる株式と比較しながらみてみましょう。
しばしばいわれますが、株式は成功すれば大きなリターンを得ることができます。しかし、その一方で最悪の場合、“紙くず”になってしまうことも珍しくありません。株式を発行している企業が倒産すれば、購入するときには何百万円も払ったような株式であってもまったく価値がなくなってしまいます。
実際、誰もが知っているような有名上場企業があっけなく倒産するような例は過去にいくらでもありました。上場企業倒産は、2008年のリーマンショックの影響時は戦後過去最多の倒産件数45件を記録し、紙くず同然になった株式に当時は泣き寝入りするしかない投資家も大勢いました。紙くずといかずとも株価は急降下し、株式に投資していた大勢の投資家が大きな損失を被ることを余儀なくされてきたのです。
それに対して、不動産はまったくの無になることはありません。建物や設備は経年劣化するものの、火事や地震などで全焼・全損しない限りなくなることはありません。
「土地」があるため、価値がゼロになることがない
また、そもそも、建物が災害などでなくなることがあっても、その敷地は失われません。極論、隕石が落ちてきて所有している建物が一瞬で消滅するようなことがあっても、最低限土地は残り続けます。そのため、一定の要件さえ満たせばその上にまた建物を建てることが可能です。
土地という最大の武器があるので、価値が絶対にゼロになることがない不動産は、「投資したお金がすべてなくなることだけは避けたい」という人にとっては、最も安心して投資できる選択肢の一つといえるかもしれません。他の投資とは一線を画しているのだと、良い意味で認識して頂ければと思います。
なお、“地震大国日本”で不動産投資を行うことに不安を抱いている人もいるかもしれませんが、2011年3月11日に起きた東日本大震災でも、鉄骨鉄筋コンクリート造りで倒壊した建物は一棟もありません。「地震が多い分、不動産も危ない」というのはあくまでもイメージで、そのあたりも踏まえて、この点についてはのちほど詳しく説明します。