オンリーワンの技術、世の中が求めるサービスの提供・・・
前回の続きです。
ブイ・テクノロジーが業績を伸ばし続けてきたのは、将来性のある業界で、他社の追随を許さぬ高い技術を持っているからです。
次の例はダブル・スコープ〈6619〉。10ヶ月で約5倍になった銘柄です。電気自動車やいろいろな電化製品に使われるリチウムイオン電池のセパレーターという部品を作っています。工場立ち上げの影響で一時減益し、株価も低迷したことがありましたが、今では持ち直し、再び上昇基調にあります。
[図表1]ダブルスコープ<6619>
このように、中長期的な意味で世の中に必要とされるものを作っている会社は業績がよくなりやすく、ひいては、株価の上昇も起きやすい傾向にあります。必ずしも、ものづくりである必要はありません。ゾゾタウンがブランドを築いたように「買われる仕組み」という図式を作り上げることが重要です。オンリーワンの技術または確固たるブランドを築いていること。そして、その商品やサービスが世の中に必要とされていること。この2つがそろった会社は業績拡大が期待できます。
将来性のある事業という意味で面白いのはビジョン〈9416〉。Wi-fi機器をレンタルする会社です。どこにも真似できそうですが新規事業として参入しようとすると、国によって周波数が異なるなど、一筋縄ではいかないようです。
この会社の魅力は、世界中の需要を取り込めるところ。グローバルWi-fi事業を展開しており、日本から海外に行くアウトバウンドだけではなく、海外から日本にくるインバウンドもつかんでいます。さらにさまざまな現地企業と提携をすすめており、海外から海外への移動についての需要も取り込もうとしています。まさに世界中で商売することになるので、巨大な市場を手に入れることができるのです。実際この事業の売り上げは伸びてきています。同社が手がける翻訳機事業も面白いものがあります。
[図表2]ビジョン<9416>
海外売上比率の高い会社でいえば、ユニ・チャーム〈8133〉や、日本電産〈6594〉なども強みがあります。両者の製品はグローバル基準の品質を持っており、世界で愛されているといえます。
業績を額面どおりに受け取らないほうがいい場合もある
業績は額面どおりに受け取らないほうがいい場合もあります。TOMAS先生で知られるリソー教育〈4714〉は第1四半期が赤字で、株価が大きく下げたことがありました。
ただ、決算期は2月なので、この時期は3・4・5月。学習塾にとっての閑散期です。しかも夏期講習に向けた広告費がかさみ、赤字になるのはやむを得ない事情があります。その後盛り返し株価も回復しているので、下げたときに買っていたら安値を拾えたことになります。TOKYOBASEしかり、会社の業態や季節変動なども考慮する必要があります。
逆に危険なパターンだと、減収増益があります。純利益が増えても、リストラによるものであった場合、来期以降も続く保証がないので要注意です。