今回は、中長期投資で利益を出すために必要な考え方について解説します。※本連載は、夕刊フジ企画「株-1グランプリ」で2度の月間チャンピオンを獲得した長谷川伸一氏の著書『株で月10万円のお小遣いと、将来1億円に化ける方法』(ぱる出版)から一部を抜粋し、IPO投資と中長期投資の実践法を紹介していきます。

企業に成長する理由がある限り、持ち続ける

将来性のある業界の独自性のある企業を見つけ、その株を買った。好業績で株価は上がっている。難しいのは売却、つまり利益確定と損切りです。基本的に成長株投資では、短期投資のように株価がここまで来たら売却、という考え方はしません。企業に成長する理由がある限り、持ち続ける。そして、もっと伸びしろがあるところが他に見つかれば銘柄を入れ替える。業績をみて買いの判断をしたのだから、売りも業績をもとに判断すべきです。利益は伸ばせるだけ伸ばし、ダメそうな銘柄は早めに切って次の投資資金の確保と考える。これが中長期の基本的なスタンスです。

 

私はIFA(独立系金融仲介業者)としてお客様の資産運用のご相談に乗っていますが、私がまだ株価が伸びると考えている企業をお客様が売却されると少しさびしい気持ちになります。実現損益がマイナスだけど大幅な含み益を持っているひとと、実現損益がプラスで含み損を持っているひと。将来1億円を目指す取引の考え方に近いのは前者のほうです。成功の法則にのっとっているような銘柄は、利益確定をしたくても頑張って、そこを抑える。利益をとれるときにとっておけば、損切りもしやすくなります。

いったん勝ち馬に乗ったら、とことん利益を伸ばす

とはいえ、相場はときとして、短期的な需給によって行き過ぎることがあります。そのようなときはテクニカル分析を用いて利益確定することも必要です。経験則上、移動平均乖離率が50%を超えたら要注意です。株価が、1ヶ月間終値の平均である25日移動平均線の上50%のところに来たら利益確定します。例えば、25日移動平均線が2,000円のところにあるときに、株価が3,000円になったら上がり過ぎということで売却するということです。ボリンジャーバンドも同様です。2σに達したらいったん手仕舞い。また、押し目買いにも使えます。上昇している銘柄がマイナス2σのところにきたら、反発するとみて買います。

 

損切りの最大許容額としては、手持ち資金にもよりますが株価の2~3割程度がいいでしょう。それ以上になると、次の取引に必要な資金を確保するのが難しくなります。損をしたときの心の持ちようも大切です。損したからやめる、というのではなく、気持ちを切り替えて次の銘柄を見つけることで、将来お金を生む資産を築いていくことができるのです。

 

今の市場は、勝ち組と負け組がハッキリとわかれる傾向にあります。

 

かつてはペアトレードという、同じ業種の似た会社を複数選び、片方を買って片方は空売りする、という手法で儲けることができましたが、今は難しくなっています。

 

同じ業種でも銘柄によって全く違う動きをするのです。いったん勝ち馬に乗ったら、とことん利益を伸ばすことが重要といえます。

本連載は、長谷川伸一氏の著書『株で月10万円のお小遣いと、将来1億円に化ける方法』(ぱる出版)から一部を抜粋したものです。掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者、版元、および幻冬舎グループはその責を負いません。

株で月10万円のお小遣いと、将来1億円に化ける方法

株で月10万円のお小遣いと、将来1億円に化ける方法

長谷川 伸一

ぱる出版

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