会社での働き方によって決まる、雇用保険の加入条件
失業した場合には、失業中の生活の安定や次の就職促進のために、そして在職中の場合には、育児や介護、高年齢などを理由に退職をせず、勤務し続けることができるようにするために雇用保険があります。
会社に勤務していて、雇用保険に加入できる要件を満たした人が雇用保険に加入し、雇用保険料を支払います。
雇用保険に加入している人が退職した場合や育児や介護、高年齢に該当した場合に、雇用保険による給付を受けることができます。定年退職後は収入が下がることが多く、雇用保険からの給付も老後の生活資金の一部として考えたほうがよいでしょう。ここで雇用保険の基本を押さえておきましょう。
<雇用保険に加入できる人>
雇用保険に加入できるかどうかは、会社での働き方によって決まります。雇用期間が31日以上(雇用期間に定めがなく勤務する場合も含む)であって、1週間の勤務時間が20時間以上の人が加入します。
雇用保険に加入した場合は、雇用保険料を支払います。雇用保険料は、雇用保険料率と給与額によって決まり、給与から天引きされます。雇用保険料率は、業種によって異なります。
<ちょっと補足>
65歳以上の人の雇用保険への加入
かつては65歳以上の人は加入条件に該当しても雇用保険に加入することはありませんでしたが、平成29年1月1日より、65歳以上であっても加入条件に該当する場合は、雇用保険に加入することになりました。
<雇用保険からの給付>
退職するとハローワークで失業保険を受けることができるということはよく耳にすると思います。この失業保険は、正式には基本手当といいます。この基本手当(失業保険)を受けることができるのは、65歳前に退職した場合です。
なお、65歳以降で退職した場合は、基本手当(失業保険)ではなく高年齢求職者給付金という給付を受けることができます。
[図表]雇用保険による給付
「基本手当」と「高年齢求職者給付金」の手続き方法
どちらも退職したあとに受け取るものなので、自身でハローワークに行って手続きを行います。
もらえる条件はいくつかありますが、簡単にいえば退職日からさかのぼって12か月以上(高年齢求職者給付金は6か月以上)、雇用保険に加入していて、給与が毎月支払われていることが必要です。
退職の際に、会社から12か月分の給与の支払い状況が載っている離職票をもらうので、これを持ってハローワークへ行き、手続きを行います。基本手当(失業保険)も高年齢求職者給付金も、失業した場合に、失業中の生活の安定と次の就職促進のために受け取ることができる給付です。
ハローワークに行くだけで、何もせずに受け取ることができるわけではなく、次の就職先を探すための求職活動を行うということも、受給の条件です。
<ちょっと補足>
求職の申込み
求職活動をするためには、ハローワークに求職申込書を提出して次の就職先を探していることを知らせ、次の仕事として希望する勤務条件などを登録してもらいます。
この話は次回に続きます。