同時に両方受け取ることはできない
60歳から65歳になるまでの間に老齢厚生年金を受け取ることができる方が退職した場合、ハローワークから基本手当(失業保険)を受け取ることができる可能性があります。ただし、基本手当と老齢厚生年金を同時に両方とも受け取ることはできないので注意が必要です。
ハローワークに基本手当を受け取るために求職の申し込みを行うと、その時点で、老齢厚生年金のほうが全額支給停止となり、受け取ることができなくなります。
[図表1]老齢年金の全額支給停止の例
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調整対象期間
ハローワークで求職の申し込みをしたときに年金が支給停止される期間のことです。
老齢厚生年金が支給停止される期間は、ハローワークで求職の申し込みを行った月の翌月から最後の失業認定日の月までです。
基本手当は、ハローワークで失業の認定を受けた場合に受け取ることができます。そのため、失業の認定を受けることができなかった場合は、基本手当を受けることができなくなります。
求職の申し込みを行うと「厚生年金」が支給停止に
ただし、求職の申し込みを行うと、基本手当をもらうことができてもできなくても、老齢厚生年金のほうがまずは支給停止となります。
老齢厚生年金が支給停止される期間に、基本手当を受けることができなかった月がある場合は、その月分の老齢厚生年金はすぐに受け取ることはできず、約3か月後に受け取ることとなります。また、老齢厚生年金が支給停止される期間が終了したあとは、老齢厚生年金の受け取りが再開するのは約3か月後となります。
求職の申し込みをした時点で、老齢厚生年金が全額支給停止されると聞くと、「損をしてしまうのでは?」と思われるかもしれませんが、老齢厚生年金が支給停止される期間が終了したあとに、調整が行われ、老齢厚生年金をさかのぼって受けることができる下の図のような事後精算(じごせいさん)のしくみがあります。
[図表2]事後精算の例
<ちょっと補足>
失業認定を受けなかった場合、年金はどうなる?
ハローワークで失業認定を受けなかった月(基本手当を受けなかった月)がある場合は、その月の3か月後に年金が支払われます。