最低限の知識を身につけたら、すぐ相場に挑戦を・・・
株をやったことがない人は、ほぼ100%といっていいほど、「株って複雑そう・・・」という先入観を抱いているものです。
それは半分正解、半分間違いです。株の世界は奥が深いので、隅々まで理解しようとすると、かなり大変です。難しい専門用語が飛び交っていますし、メディアで見聞きするアナリストなどのコメントも、初心者には難解すぎて、何をいっているかわからないかもしれません。
ですが、はっきりいって、それらすべてを理解している必要はありません。必要最低限の知識があれば、誰にでも株の売買はできます。そして、売買を繰り返していくうちに、専門用語には少しずつ慣れていきますし、専門用語の中にも知らなくて問題ないものが大量に含まれていることが、実感としてつかめるはずです。
私自身は、大量の本や雑誌などを読み込んで、株の勉強をしてきましたが、今にして思えば、「これは投資の役には立っていない」というものもたくさんあります。その勉強がまったくムダだったとはいいませんが、これから株を始める方は、必要なことだけを最低限身につけて、すぐにでも相場に挑戦していったほうが、よっぽど得るものは多いと思います。
新興市場で取引される小型株は値動きが激しい傾向あり
ここからは、株の取引をする上で、最低限押さえるべき超基本のポイントをお話ししていきます。まず、株の売買の場である、証券取引所についてです。
日本には、以下の4つの証券取引所があります。
●東京証券取引所(東証)
●名古屋証券取引所(名証)
●福岡証券取引所(福証)
●札幌証券取引所(札証)
昔はもっとたくさんありましたが、大きい証券取引所に吸収合併される形で、数が減ってきました。
そのうち、代表格は東証です。東京証券取引所は、かつて国内2位だった大阪証券取引所(大証)と2013年に合併したこともあり、ますます規模が大きくなりました。残りの3証券取引所は、比べ物にならないほど小規模なので、私達が取引をすることになるのは、99%ほどは東証の銘柄と考えておいてよいでしょう。東証には、次の4種類の市場があります。
●第一部(東証一部)
●第二部(東証二部)
●マザーズ
●JASDAQ(ジャスダック)
東証一部は、国内外を代表する大企業がひしめいている市場です。外国からの資金流入も多く、売買の活発さにおいても、世界でトップクラスです。東証二部は、中堅クラスの企業が多く名を連ねています。印象としては、細く長く経営を続けている老舗企業が多いようです。
一部と二部とでは、そこに上場するための条件(会社の規模や、財務状態の安定性など)が異なっています。一部のほうが条件は厳しく、二部はそれよりもやや緩いので、比較的上場しやすいと言えます。
しかし、一部はおろか二部上場の条件も満たせない企業はたくさんあります。その多くは、開業して間もないような新興の企業です。そのような新興の企業向けの市場が、マザーズとJASDAQです。
マザーズは、将来的に東証一部への上場を目指す企業が主に上場しています。これに対し、JASDAQの上場企業は、IT企業などが多いのが特徴。もちろんJASDAQから東証一部に上場する例もあります。最近では、2013年末に楽天がJASDAQから東証一部に上場市場を変更し、大型移籍として話題になりました。
マザーズ、JASDAQは新興市場と呼ばれていますが、かつての楽天、あるいはゲーム大手のガンホーといった一部の例外を除き、比較的規模の小さい銘柄が主流になっています。そして、こうした小型株は、東証一部の大型株に比べると、値動きの乱高下が激しい傾向もあります。
東証一部や二部にも派手に値動きする銘柄はあるので、単純に「東証一部=安定」「新興市場=活発」などと定義することはできませんが、そのような傾向があることだけは知っておきましょう。