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医大時代の友人との再会が開いた、クリニック開業への道

一代で11の医療・介護施設の開業に成功した医師の軌跡から、事業拡大における極意を見ていく本連載。今回は、その第16回です。

土地や建物と同時に、優れたスタッフを求め・・・

さて、ようやく土地の確保ができたところで、次は施設を建て、スタッフを集めなければなりません。大学病院では診療も行いますが、研究や医学生の指導が業務の大部分を占めます。一方、臨床を担う個人の開業医は、多くの患者さんたちの命を助け、喜んで利用してもらうことが一番大切です。これによって、収入を得、家族を養っていかなければなりません。医療はサービス業でもあり、特に、人工透析は1~2回の診療で終わる風邪などの治療と違い、羅患した以上、一生を終えるまでずっと頼らなければいけない継続性が必要な分野です。そんな施設を開業するのですから、いかに永続性を保つことのできるサービスに徹するかが重要なポイントです。

 

信頼できる医師や臨床工学技士、優れた看護師、経理などの管理部門も、徹底したサービス精神を持って患者さんたちをおもてなししなければなりません。最初に忠さんには声をかけていたので、臨床工学技士の柱は確保していましたが、それ以外の人たちをどうやって集めよう。土地や建物と同時に優れたスタッフを求めていました。

ふらっと訪ねてきた、大学時代の友人

そんな時、私の仕事場をふらっと訪ねてきた人物がいました。大森耕一郎くんでした。私が国家試験の勉強を一緒にしていた親友です。

 

彼は、私が大学に入学した時すぐに親しくなった人物で、当時は国立佐倉病院に勤務し、外科と移植科を担当していました。何年ぶりでしょうか。久々の出会いです。

 

彼を招き入れると、開業の話題になりました。もうすでに千葉大学には開業すると報告していましたし、卒業生のネットワークは広くはないので、彼の耳にもすぐに入っていたようです。彼によれば、自分もそろそろ開業したいなと思っていた時期に、「田畑がどうやら開業するらしいぞ」と聞きつけたそうです。

 

そこで思い出しました。私たちがまだ医学生時代、なんの方向性も見出していないうちから、「開業するなら一緒にやろう」と約束していたのです。大森くんはどうやらそれを確認しに来たようでした。

 

長い付き合いですから、彼がどんな性格で、どれだけの腕があり、いかに信用できる人物であるかすべて承知しています。医師として私一人ではちょっと不安があったところに、頼りになる大森くんが来てくれれば、こんなに心強いことはありません。また、透析施設の「チェーン店化」を最初から考えていましたが、これは医師一人ではもともと実現できない希望だったのです。

 

その日はそのまま終わりましたが、翌日すぐに彼に連絡し、「一緒にやろう」とあらためて誓い合ったのです。それ以来、大森くんには明生会のナンバーツーとして活躍してもらっています。

 

また、大森くんの交友関係はとても広く、その後いろいろと助けてもらいました。特に開業に当たって、二人の人物を紹介してもらったことで、問題がどんどん解決されていきました。

 

一人は、当時の株式会社京葉銀行の吉成頭取です。大森くんの義父にあたる元大学教授から紹介してもらいました。

医療法人社団明生会理事長 千葉県医師会会長

千葉大学医学部卒業。1991年に千葉県東金市にクリニックを開業。透析施設7施設、介護施設4施設、関連施設4施設の包括的なネットワークで、患者が安心して受けられる透析治療や介護サービスを提供。日本透析医学会教育関連認定施設でもある同法人の東葉クリニックでは、学会や研究会などで毎年数多くの報告を行う。医療連携室にソーシャルワーカーを配置することで地域との連携を図り、保健・医療・福祉の3方向から総合的なサービスの提供を目指している。

著者紹介

連載11の医療・介護施設を開業した医師に学ぶ「事業拡大」の秘訣

 

 

ドクター・プレジデント

ドクター・プレジデント

田畑 陽一郎

幻冬舎メディアコンサルティング

医療者である開業医が突き当たる「経営」の壁。 経営者としてはまったくの“素人”からスタートした著者は、透析治療を事業の柱に据えて、卓越した経営センスで法人を成長させていく。 徹底的なマーケティング、2年目で多院展…

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