「利率」=元本に対して当初設定された金利
これまでに「利率」「利回り」といった言葉が出てきましたが、その違いが分かっていますか? この違いはとても大切ですので、きちんと理解しておきましょう。
「利率」は、元本に対して当初設定された「金利」の意味で、パーセントで表します。「利回り」は、その時々のリターンのことで、やはりパーセントで表します。
需要による買い取り価格で、利回りは変化する
たとえば、額面100円の国債の利率が1%なら、1年後に1円の利子が受け取れます。国債を買う人が増えれば、国債の価格が上がり100円以上になります。逆に、売りたい人が増えれば、100円以下に国債の価格が下がります。
たとえば、102円で買った国債を1年保有し、同一価格で売れれば、利回りは、利子1円÷102円×100=0.98%です。ただし、それが1年で満期を迎えるとすれば、(利子1円+(100円−102円))÷102円=-0.98%となります。満期まで保有すると、元金が100円しか戻ってこないからです。
同様に購入価格が99円のときの利回りは、満期まで保有しない場合で、同一価格で売れれば、利子1円÷99円×100=1.01%となります。さらに1年で満期を迎えるとすれば、(利子1円+(100円−99円))÷99円=2.02%と高い利回りとなります。
つまり、国債を買う人が増えれば国債の価格が上がるので利回りは下がり、逆に、国債を売りたい人が増えれば国債の価格が下がるので利回りが上がるのです。
ちょっとややこしいですが、利率と利回りの違いはきちんと理解しておいてください。