個人向け国債は「変動10・固定5・固定3」の三種類
日本国債とひと口に言っても、多くの種類がありますが、一般の人が買える代表的な国債は「個人向け国債」です。
個人向け国債は現在、「変動金利型10年満期(以下、変動10)」「固定金利型5年満期(以下、固定5)」「固定金利型3年満期(以下、固定3)」の三種類があります。
どれも1万円から、1万円単位で買うことができます。毎月発行されていて、発行から1年たてば、いつでも中途換金することができます。ただし、中途換金の場合には、そのときの市場価格で売ることになりますので、価格が上がっていればお金が増えますが、下がっていればお金は減ってしまいます。
満期で売れば元本が保証されておりリスクはありませんが、中途換金の場合には「価格変動リスク」があるのです。
変動10は、金利が半年ごとに変わり、10年後に満期となる国債です。
固定5は、金利が変わらず、5年後に満期となる国債です。5年間決められた利子を受け取ることができます。
固定3は、金利が変わらず、3年後に満期となる国債です。3年間決められた利子を受け取ることができます。
守るお金の一部を「変動10」で運用するのはいい方法
では、それぞれの金利は、マイナス金利政策下でどうなっているでしょうか。
2016年6月15日に発行された第74回変動10では、発行の基準となる金利がマイナス0.1%のため、最低適用利率の0.05%が適用され、税金を引かれると0.0398425%です。
同じ日に発行される固定五、固定三も基準金利がマイナスのため、最低利率の0.05%、税引き後0.0398425%です。
同じ利率なら、将来、基準金利が上がったら適用利率も上がる可能性のある変動10のほうが有利なのは間違いありません。
預金の利子も、国債の利子も、かかる税金は同じ20.315%です。税引き前0.05%以下の金利の定期預金なら、変動10のほうが若干ですが、お得ということになります。
1年たてば元本を割る可能性はありますが、中途換金できますし、満期まで保有すれば元本も保証されていますから、お金が減る心配はありません。
銀行の預金は、仮にその銀行が破綻しても1000万円までは預金保険機構によって保証されています。ただ、1000万円を超える部分は戻ってこない可能性があります。
国と銀行のどちらの破綻の可能性が高いかといえば、それは現状では銀行です。ですから、「守るお金」の一部を、個人向け国債の変動10で運用するのは悪くない方法だと思います。