在宅の高齢者を支える医療や介護のサービスには、どのようなものがあるでしょうか。前回は、訪問看護と訪問リハビリを説明しました。今回は、家で暮らしたい高齢者を支える在宅介護と居宅介護支援事業を紹介します。

ホームヘルパーによる生活・自立支援

訪問介護

▽家で暮らす幸せを継続し、生活を支援する

 

社会福祉法人や医療法人、社会福祉協議会、営利法人、生協、農協、NPOなどが参入している事業で、訪問介護員(ホームヘルパー)が在宅の高齢者や障がい者宅を訪問し、介護や生活支援のサービスを行います。

 

利用者に対して家事炊事や買い物の代行など、家庭内で必要とされるさまざまな生活支援を行うとともに、食事や入浴、排泄の介助、一緒に食事をつくったり部屋の片づけをして自立支援していきます。ケアマネジャーと連携をとり、必要なケアにつなげていく工夫が求められます。

適切な「介護保険サービス」の利用をサポート

居宅介護支援事業

▽一人ひとりに合ったケアプランを提案する

 

要介護1〜5の認定を受けた方に対し、自宅や住宅型の介護施設、高齢者付き住宅などで、適切に介護保険サービスの利用ができるようにサポートする場所です。担当のケアマネジャー(介護支援専門員)が患者と家族の窓口になります。

 

要介護認定の相談、ケアプランの作成、ケアに必要な各施設との連絡や調整が主な役割となり、介護保険サービスを適切に利用する手助けをします。

 

一人ひとりに合ったケアプランを作成するには、高齢者本人の体調や経済力、自立度などに加え、介護できる家族がいるのか、いるのであればどの程度まで可能なのか、精神的に介護ができる状態なのかなど、個人に踏み込んだサポートが必要になります。

 

その上で、どの部分に比重を置いて介護保険を利用することがふさわしいかを判断していきます。高齢者やその家族が、実際にどんな介護サービスがあり、何が自分たちに必要なのかを判断することは至難の業です。取捨選択の手伝いをする重要な役割だともいえます。

 

居宅介護支援事業は基本的に全額保険給付で行われ、現在全国に4万以上の事業所が開所されています。高齢者とその家族は、ここで出会うケアマネジャーとの相性を重要視する傾向にあります。特に、医療法人や社会福祉法人の運営する居宅介護支援事業のケアマネジャーに依頼すると、医療者側、介護施設側に都合のよいプランを立てられてしまうのではないかと、懐疑的な目で見ている家族もいるのです。

 

あくまでも公平・公正な目で、一人ひとりの高齢者とその家族にとって最善のプランが立てられるようにケアマネジャーを育てることも、地域医療にとって重要であり、それが後々大きな財産となるのです。

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