前回は、在宅介護と居宅介護支援事業を説明しました。今回は、日中のみ介護施設に通うデイサービスとデイケアの仕組みを紹介します。

入所ではなく、介護施設に「通所する」という選択肢

最期まで住み慣れた自宅での生活を望む場合、あるいは介護施設に入所するだけの経済的余裕のない場合、入浴やリハビリといった日常の介助のすべてを家族だけで行うことは肉体的にも精神的にも辛いものとなります。そこで、自宅から施設に通い、介助を受けることで家族の負担を軽減し、在宅での生活を支援するのが次のサービスです。

 

在宅介護を推し進める今後の高齢社会において、介護サービスのさらなる充実が求められています。細分化されたサービス形態は利用者にとってわかりにくい部分も多いのですが、ケアマネジャーが必要なサービスを組み合わせていきます。

 

「自宅から施設に通うサービス」で家族の負担を軽減

デイサービス(通所介護)

▽日常生活を全面的にサポートする

 

自宅で生活する高齢者が日中のみ介護施設の設備を利用し、入浴や食事などの介護サービスを受けるものです。機能訓練が受けられるデイサービスもありますが、デイサービスの場合、必ずしも理学療法士や作業療法士がつく必要はありません。

 

家庭では入浴介助が難しい場合などや、普段、介護を担っている家族が日中休むために多く利用されます。家にこもりがちになる高齢者にとって、他者とコミュニケーションをとる場にもなり得ます。

 

デイケア(通所リハビリテーション)

▽自立した生活を続けられる身体機能を維持する

 

デイサービスと同様に、利用者の日中の食事や入浴の介助などを行いますが、デイケアでは病状が安定している要介護者を対象に、リハビリをサービスの中心におきます。リハビリ専門のスペースや器具が必要となり、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のいずれかを配置し、医師の指示書にしたがってリハビリを進めます。

 

要支援認定の人に対して同様のサービスを行う場合は、介護予防デイケア(介護予防通所リハビリテーション)と呼ばれます。

医療・介護連携で実現する 高齢者のための地域医療

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佐藤 貴久

幻冬舎メディアコンサルティング

2025年には団塊の世代がすべて75歳以上となり、全国民の3人に1人が65歳以上になると予想されています。これまでと同じ医療体制を続けていては、高齢者は自分の望む最期を迎えられないばかりか、増える高齢者によって医療費が膨…

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