医師の指示に基づいた医療措置が自宅で受けられる
訪問看護ステーション
▽医師の治療方針を実践する最前線の医療者集団
医師の指示のもと、患者の自宅へ看護師を派遣するシステムです。
医療保険を利用して訪問看護を受ける場合は、かかりつけ医の指示書をもとに、医療費の1〜3割を患者が負担することになります。要支援、要介護の人が介護保険で訪問看護を利用する場合は、ケアマネジャーに利用の希望を伝えると、そこから医師に依頼が行き、医師の指示に基づき看護師が訪問することになります。ほかの居宅サービスと同様、費用の1〜2割が利用者負担です。
訪問看護で受けられるサービスの特徴は、医師の指示に基づいた医療措置が自宅で受けられることにあります。血圧、脈拍など健康管理はもちろんのこと、在宅酸素や人工呼吸器、経管栄養の管理など、高度な医療措置についてのケアも行うことができます。
また、身体の清拭、洗髪、入浴介助、食事や排泄などの介助、栄養管理、褥瘡の予防や手当て、嚥下訓練、身体機能のリハビリなど、多岐にわたる領域の支援を行います。
さらにはターミナルケアも訪問看護の重要な役割のひとつになります。末期のがん患者、体力の衰えてきた高齢者やその家族に対し、グリーフケアも含めたメンタルケアも行っていきます。
看取りについて知識の少ない家族に対し、在宅での看取りの方法やメリットを伝え、満足のいく看取りを家族と協力して行うことも、訪問看護師にとっては必要なスキルになるでしょう。
要支援者・要介護者の在宅生活をサポート
訪問リハビリ
▽通院できない患者の機能回復を助ける
自宅に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが訪問し、リハビリを行うサービスです。
訪問によるリハビリでは、医療保険と介護保険のどちらを利用するかを決めておかなければなりません。
訪問看護ステーションのなかで行われるリハビリは、正確には訪問看護の一部であり、医療保険の範疇になります。ですから、あくまでも医師の指示に沿って、定められた疾患の改善のために行われる「看護」のひとつです。
そのため要支援や要介護の認定を受けている人の場合は、介護保険を利用した訪問リハビリが優先されることになります。通院は難しいがリハビリを受けたい人、介助の指導をして欲しい家族が対象です。
要支援者は「介護予防訪問リハビリ」の適用となり、要介護へと進行させないための身体機能訓練を中心に行います。
一方要介護者には、関節や筋肉のケアから、歩行、起き上がり、寝返りなどの基本動作、着替え、食事、入浴、トイレなど日常の動作訓練まで、その人に必要とされるリハビリを行います。
福祉用具の使い方についての指導や、自宅の改修についてのアドバイスなども行い、要介護者が在宅での生活を続けられるようにサポートしていきます。