エスクローが発行する「クロージングステートメント」
これまで13回にわたり、ハワイ不動産と米国本土、あるいは日本の不動産との違い、また、ワイキキ内の高級ホテルレジデンスやホテルコンドの代表例を、いくつかご紹介してきました。
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そして、その中で、米国・ハワイでは「立地条件の良さ」が価格に対する最大のアドバンテージとなり、立地によっては価格が購入時と比較しても維持されるばかりでなく、その建物近辺の動きに併せて上昇することもあり得る、というところまで確認しました。
では実際に、ハワイで不動産を売買するとき、どのようにお金が動くのでしょうか。ここでは、「クロージングステートメント(物件引渡清算書)」を例に見ていきたいと思います。
まず、クロージングステートメントが何かをご説明します。日本では、物件引渡清算書と呼ばれ、その不動産取引における決済の明細を示すものです。通常「エスクロー」と呼ばれる、州から認可を受けた不動産取引における中立の第三者機関によって発行されます。
このエスクローという団体が、金銭や権利関係の書類のやり取りや、公証等も行います。売主・買主はエスクローを通してやり取りをするため、直接連絡を取り合う事はありません。エスクローが決済の流れを随時確認しており、公平な取引が行われているかどうかを監視しています。
クロージングステートメントには、売値や頭金はもちろん、固定資産税額やタイトル保険料、登記費用といった項目が並びます。売主側、買主側それぞれのステートメントがあり、その内容は少し異なってきます。
[図表]買主(Buyer)側のクロージングステートメント
仲介業者への「仲介手数料」はすべて売主が負担
まず、右上の黄色くハイライトしてある「DEBIT」と「CREDIT」という項目を見てみましょう。買主側か売主側かで日本語訳は少し変わってきますが、大きな意味としては「DEBIT」が支払う金額、「CREDIT」が自分に入金される(売主の場合)、または既に支払いが完了している(買主の場合)金額という意味です。
今回は買主側のステートメントを見ていますので、CREDITは既に支払いが完了しているものとなり、このステートメントが作成された際には「頭金」と「中間金」の支払いは完了していたことが見て分かります。
管理費や固定資産税は、登記月に限り日割りで計算されます。
なお「タイトル保険料」というのは、物件の所有権(タイトル)に対する保険で、日本では聞きなれない項目だと思います。
これは、売買される物件について、タイトル保険会社が所有権、抵当権、未払い税金などを調査するのですが、購入後、万が一その調査内容と異なる事実が判明したら、この調査を行った保険会社が損害額を保証します、といった内容のものです。また上記のエスクローは、この保険会社からの調査内容をもって、売主は物件の所有者であることに間違いがないか等を確認します。
もう1点、日本の不動産取引と大きく異なるところですが、この買主側のステートメントには仲介業者への「仲介料」が含まれておりません。これはアメリカの慣習として、買主からは仲介料を徴収せず、売主が6%の仲介手数料を全て負担するシステムとなっているからなのです。
そのため、通常買主はエスクロー利用費用や登記費用、また物件の検査費用等の手数料のみを支払う事となります。これらの手数料は一般的に、物件の価格の1.0%程度の金額となります。
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それでは、売主側のステートメントはどのように表記されるのでしょうか。売主から徴収される仲介料、そして税金等を含め、次回ご説明します。