売却時に発生する諸経費にはどのようなものがあるか?
今回は売主側のほうのクロージングステートメントを見ていきたいと思います。
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下記掲載の図表をご覧ください。右上に黄色くハイライトした、「DEBIT」「CREDIT」という項目ですが、今回は売主側のステートメントなので、DEBITが支払う金額、CREDITは売主に入金される金額になります。
[図表]売主(Final Seller)側のクロージングステートメント
それでは内容を見ていきましょう。
まず一番上に、今回例に挙げている不動産の売買代金の記載があり(売値)、その下は固定資産税、管理費の清算金です。売主が事前にそれぞれの経費の支払いを行っていますので、登記日の日割り計算によって買主側が売主に支払うことになります。
この不動産の売買は4月13日が引き渡し日になり、既に4月分の管理費は売主側が支払をしておりますので、4月13日の引き渡し日から末日までが買主の負担ということになり、エスクロー内で清算をするということになります。
その下は仲介手数料です。このステートメントは弊社がListing Agent(売主側の仲介会社)になり、買主側である他社の不動産会社との共同仲介になります。そのため、売主から支払いを受ける6%の仲介手数料は折半することになり、3%ずつそれぞれの仲介会社に手数料が振り分けられることになります。なお、黒塗り部分に買主側の不動産会社名の記載があります。
次にエスクロー費用ですが、こちらは売主、買主で50%ずつの折半での支払となります。また、その下のタイトル保険料は売主側が60%、買主側が40%の負担となります。この2点のみ、売主、買主の双方に支払義務が生じる項目になります。
その下の弁護士費用は、契約書類等の作成に必要な費用です。
譲渡税は日本でも一般的だと思いますが、物件価格に応じての累進課税になります。
その下の管理費(4月分管理費)、特別賦課金は、室内の電話機の交換やカーペット交換等、ホテルレジデンス特有の経費です。
また電気代は、前月分が当月引落しになるので、引渡し時には確定しません。そのため、電気代留保金として売主側がエスクロー内に電気代を多めに留保しておき、金額が確定したあと、売主に多めに支払った分が返金されるというのが一般的です。
その下のコンドミニアム書類発行費用は、建物によっても書類の内容は異なりますが、ホテルレジデンスの場合は、ハウスルール(管理規約)や建物の竣工図、建物全体で加入している保険内容等の書類の発行費用になります。こちらは売主の費用で管理会社等から取り寄せ、買主に引渡し前にお渡しします。
またハワイでは、特に築年数の古い木造建築物はしばしば白蟻被害に遭うことがあるため、登記前に白蟻検査を行います。この費用(白蟻検査費用)も売主の負担となります。
売却する際にかかる諸経費の総額は代金の約7%
最後の項目は税金です。通常、日本に居住する日本人の売主の場合、「FIRPTA」と「HARPTA」という2種類の税法により、売買代金から一定額が源泉徴収されます。
FIRPTAとは「Foreign Investment in Real Property Tax Act」の略称になり、売主が外国人の場合、売買価格の10%が源泉徴収額になります。
HARPTAとは「Hawaii Real Property Tax Act」の略称になり、売主がハワイ非居住者の場合、売買価格の5%が源泉徴収されることになります。なお、源泉徴収された分の金額については、売買の翌年の確定申告の際に売却益を計算し、源泉徴収額の方が多い場合は、還付手続きをすることができます。
ちなみにこちらのステートメントの売主はDCCA(Department of Commerce and Consumer Affairs/商務・消費者省事務局)に登録されている外国法人になりますので、HARPTAは対象外であるため記載はありません。
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前回は買主側のステートメントを見ていきましたが、売主側の方が、支払う必要のある経費は多くなり、売買代金のおよそ7%が売却に伴う諸経費になります。
また、源泉徴収の対象になる売主の場合、諸経費約7%のほかに、源泉徴収額は最大15%になります。これらを含めると、登記後すぐに入金される手取り金額は売買代金の約78%ですので、その点には注意が必要です。