現地の制度や文化的背景を「病院留学」で実感
前回の続きです。
病院タスクチームのプロジェクトは日本国内だけにとどまりません。近年では中国やベトナム等の海外、特にアジアを中心とした病院プロジェクトが増加傾向にあります。
もちろん、海外といえどもやるべきことは同様です。病院の懐に飛び込んでニーズを学び取り、現地の制度や文化的背景にも合致する計画を提案することです。具体例としてベトナムで進行中のプロジェクトをご紹介します。
ベトナムホーチミン市、ホアラムヘルスケアパークの例
《ホアラムヘルスケアパーク》は、ベトナムのホーチミン市やその周辺地域における先端医療の普及と、日本同様の最先端の医療技術を取り入れた医療施設整備計画です。ホーチミン市の中心部から西に約10キロメートル離れたビンタン地区の約37.6ヘクタールの敷地に、医療施設を中心に、医学研究所や商業施設、高級マンション、オフィスビル、ホテル、会議センターなどを整備し、総合的なヘルスケアサービスを提供します。
先行して開設されているCity International Hospital(Ⅰ期)に続く、Ⅱ期計画として地上10階建ての延床面積約3万6000平方メートル、351床の神経・心臓病を中心とした病院の計画を行いました。
デザインコンセプトは、羽を広げ飛び立つ鳥のような、または、大切なものを両手で包み込むようなイメージです。加えてV字型の病棟形態とした外観には、「ベトナムの100年先の医療を見据えていきたい」とする施主の強い意志を表現しています。
[写真]《ホアラムヘルスケアパーク》
現在、躯体工事が上棟し、カーテンウォールやサッシの取り付けなど、内装工事が進行中です。