各自治体が実施する、サービスを活用した「安否確認」
前回の続きです。
■高齢者相互支援活動(兵庫県神戸市)
疾病、けがなどにより、日常生活に一時的な支障が出ている高齢者に対して、老人クラブ会員が簡単な食事のお世話や掃除、買い物などのサポートを行うサービス。
対象者:在宅でおおむね65歳以上
回数:1回につき1時間以上4時間まで(1カ月に10回まで)
料金:材料費、交通費など実費負担のみ
■応急軽度家事援助サービス(鳥取県鳥取市)
本人の意欲減退などではなく、本人や家族の急な病気、骨折が原因となって一時的に生活機能が低下した人の自宅に、援助員を派遣し、軽度の家事援助を行います。
対象者:おおむね65歳以上の市民税非課税世帯のひとり暮らしの高齢者
回数:月11時間まで
料金:30分につき80円(生活保護世帯は無料)
■温泉宅配便(東京都日の出町)
高齢者に「ひので三ツ沢つるつる温泉」の温泉水を宅配することで、温泉に行くことのできない高齢者などに自宅にいながら温泉入浴を楽しんでもらうサービス。
対象者:80歳以上の高齢者の属する世帯、日の出町心身障害者手当受給世帯
料金:無料(250リットル以内)
■乳酸菌飲料配布(福井県福井市)
閉じこもりや身体状態などから見守りが必要な高齢者に、乳酸菌飲料を配布し、配布時に声がけによる安否確認を実施。
対象者:65歳以上
回数:週1回(3本配布)
料金:無料
■ふれあい収集(大阪府大阪市)
環境局の職員が家庭までごみの収集に行くサービス。収集の際には「こんにちは、ごみを持っていきます」などと声をかけます。所定の曜日にごみが出ていない場合には、前もって登録されている連絡先に環境事業センターから安否の確認をします。
対象者:65歳以上のひとり暮らしの高齢者や、高齢者だけの世帯、障害者が居住している家庭で、ごみの持ち出しが困難な人
料金:無料
介護の問題は、各市区町村の団体・機関に相談を
なお、地域にはひとり暮らしや困窮している高齢者を見守る「民生委員」がいます。民生委員は、高齢者や障害者、貧困家庭などを中心に、地域住民の生活状態を把握して行政につなげる役割を担っており、厳しい守秘義務のもとでボランティアとして活動している存在です。
さらに各市区町村には「高齢者見守りネットワーク」もあり、地域の事業者や小売店、医療機関などが連携して高齢者の見守りを行っています。
また、各地域の地域包括支援センターにはケアマネジャーなどの専門職が必ずいて、個々の状況に応じた最適な制度を紹介してくれます。
介護をめぐる制度は複雑で、ひとりで調べようと思っても非常に難しいものです。困った時には遠慮せずに、こうした団体や機関に相談するようにしましょう。