今回は、不動産による財産分与を円滑に進めるポイントを見ていきます。※本連載は、離婚カウンセラーとして多数の離婚問題を解決してきた、岡野あつこ氏の執筆、弁護士・柳田康男氏/弁護士・山下環氏監修の『最新 離婚の準備・手続き・進め方のすべて』(日本文芸社)の中から一部を抜粋し、離婚で生じるお金の問題を見ていきます。

売却の場合は「通常市場価格」が目安に

不動産の評価額は、不動産鑑定士に依頼すれば正確な数字が出ますが、鑑定に要する費用もかさみますので、中古不動産の転売を取り扱う不動産業者に、売却した場合の価格の見積りを出してもらう方法もあります。

 

一般的には客観的に見て合理的と思われる通常市場価格などが目安にされます。

 

現物のまま土地や建物を分与する場合は、所有権または共有持分の移転登記手続き(名義変更)をします。その手続きには、費用がかかるので、その費用をどちらが負担するのかも決めておきましょう(原則、分与を受ける側が登記手続き費用を負担します)。

共有状態を残した不動産の分与はトラブルになりがち

ただし、不動産による財産分与で、とくに離婚後も共有状態を残す形の財産分与はトラブルになりがちです。できれば、売却して現金で分けたほうが無難だといえます。

 

ADVICE

ローンの残った不動産を分けたり、受取るときに残るローンの名義を同じ銀行では変えてもらえないことが多い。その場合は別の銀行で借り換えるとよい。

 

[図表]不動産の分与でポイントになること

最新 離婚の準備・手続き・進め方のすべて

最新 離婚の準備・手続き・進め方のすべて

岡野 あつこ 著、柳田 康男・山下 環 監修

日本文芸社

離婚カウンセラー、夫婦問題研究家として26年間、約3万件の相談実績のある著者が実例をまじえ、離婚に関する、知っておきたいことすべてを具体的に解説。お金の問題、子どものこと、法律知識をわかりやすくアドバイスする。

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