「誰かの役に立ちたい」という思いはインフォーマル
この先、みなさんが働き盛りの時代に医療・介護の世界で生き残るのに何が大事か。一言でいえば、「インフォーマル」を大事にするということです。
フォーマルの中で働くということは、医療・介護保険などの法律、制度に基づく業務の中だけで働くということです。だからこそ、インフォーマル。つまり法律や制度の枠に収まらず、たとえば「地域にとってかけがえのない存在になるにはどうするか」そうやってフォーマルから抜け出して働くということ。そのためにどうすればいいのかを今のうちから考えて動いていくことです。
とはいえ「インフォーマル」がピンとこない人もいるかもしれない。そんな人は、こう考えてみてください。もともと、皆さんはインフォーマルなこと = 純粋に誰かの力になりたいと思って働くことを大事にしてきたはず。決して社会保障の制度の中で働くんだと思ってこの世界に入ったわけではないと思うんです。
それなのに、いつの間にかフォーマルな制度の中だけで仕事をこなしてしまっている。それが崩れたらどうなるんだろう? と、自分の原点に戻って問いかけてみてほしい。
「自分を必要とする人」としっかり向き合う働き方を
「上司とうまくいかない」という悩みや不満も同じこと。なぜなら私たちは上司のために仕事をしているわけではないからです。たとえ、付き合うのが難しい上司だったとしても、その人のために仕事をしているわけでもないのに、それを理由に辞めるのはおかしい。本当に大事なのは何かという視点で考えてみてください。私たちは目の前の患者さん・利用者さんのために仕事をしているのですから。
インフォーマルを大事にするということは、法律や制度、あるいは医療機関の組織や体制、上司がどうかといったこと以前に自分の専門性を活かせる「日常」をしっかり見据えることができ、「自分を必要としてくれている人」「自分が力になれる人」とちゃんと付き合えていることをいうのです。