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企業の人事評価制度の新基準「NPS」とは何か?

前回は、人事評価制度の最重要項目である、「成果」を測る際の留意点を説明しました。今回は、企業の人事評価制度の新基準「NPS」について見ていきます。

「成果育成型人事制度」が抱える2つの問題点

予算制度を採用し、予算と実績を毎月比較して差異(多くの場合マイナス差異)を把握し、未達成だと部下を叱咤激励して尻を叩く・・・このような光景はあちこちで見られます。

 

予算制度の最大の問題点、それは「予算と実績を把握してその差異(多くの場合マイナス差異)をもって部下を叱咤激励すること」が、上司に「仕事をした感」を与えてしまうことです。数字という客観的な道具を使って部下を指導したという充足感から、全く仕事をしていないにもかかわらず、上席者からすると管理の仕事をしたという錯覚に陥ってしまうのです。

 

広く世に普及した感のある成果育成型人事制度にも、このような「期待成果」にまつわる問題点があるのです。「成果」を売上達成率などの数値で設定することが正しいのかという問題、そこで多く使われている「予算」の作成過程の問題の2つです。

人事評価に「顧客ロイヤルティを数値化する指標」を活用

ならば、期待成果として使う指標から、売上などの客観的指標をなくせばいいのです。数字は客観的で分かりやすく、万人の理解を得られるものであるなどと言われますが、評価をされる側の気持ちから考えると、何となく胡散臭いものだと思われていると考えられます。評価される側からの理解は本当に得られているのでしょうか。

 

その代替案としていくつかの会社に進言して、人事評価制度の中の期待成果として使用している指標があります。それが近年脚光を浴びている「NPS」です。NPSとは「Net Promoter Score ®」の略で、顧客ロイヤルティを数値化するための指標です。

 

このNPSについては、「NPSと企業利益の間には、正の相関関係が強い」という研究結果が発表されています。つまり、NPSが高くなるほど顧客の推奨度が高まりますから、企業利益が増加する可能性も高くなるということです。

 

この話は次回に続きます。

株式会社Corporate Solution Management 代表取締役

公認会計士。
京都大学法学部卒業後、民間企業勤務を経て公認会計士試験に合格。
KPMG勤務を経て独立し、株式会社Corporate Solution Managementを設立。
会計的手法のみならず、心理学や行動経済学に基づくマーケティングやブランディング理論を独自に構築、
これまで約100社に及ぶ地方中小企業を経営危機から救済。
金融機関から指名が絶えない屈指の再生請負人。

著者紹介

連載企業を再生させる「人事評価」と「人材育成」の方法

本連載は、2017年5月26日刊行の書籍『「事業再生」の嘘と真実 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

「事業再生」の嘘と真実

「事業再生」の嘘と真実

弓削 一幸

幻冬舎メディアコンサルティング

コスト削減、管理会計、人事評価制度――ロジックだけに頼るのは今日で終わり! 中小企業約100社を経営危機から救った事業再生のプロが、稼げる事業体質作りを指南。 中小企業・小規模事業者には厳しい経営環境が続いており、…

 

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